石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

今日の「働き方改革WT」の模様

2011-02-08 23:25:44 | 活動レポート
今日も盛りだくさんの一日でしたが、ハイライトはやはり午前中の「働き方改革WT」第8回会合。いやもちろん、私がWTの事務局長だからではなく(笑)、議論の内容が今後の展開にとても重要だったからなのです。



冒頭、今後の進め方について:

 ・労働時間主権の実現
 ・均等待遇の実現

という二つのテーマで議論を深めていくことを確認。続いて、独立行政法人・労働政策研究・研修機構(JILPT)の濱口桂一郎統括研究員からヒアリングを行いました。

すでに濱口さんのブログでもご紹介をいただいていますので引用させていただきますと、今日のヒアリングは下記のような内容で行われました:

1.日本に(真の)労働時間規制を
  ・日本に労働時間規制はあるのか?
  ・問題は残業代か?労働時間か?
  ・ホワイトカラーエグゼンプション騒ぎの勘違い
  ・いのちと健康のための実労働時間規制こそ重要
  ・勤務間インターバル(休息期間)規制
  ・絶対休日規制
  ・年休は使用者からイニシアティブを
  ・時間外上限規制とオプトアウト方式の可能性と危険性

2.非正規労働者からジョブ型正社員へ
  ・ジョブなきメンバーシップとしての日本型正社員
  ・限定なき義務と長期的生活保障の社会的交換
  ・家計補助前提の非正規法制と生計維持的非正規の露出
  ・労働者派遣法のボタンの掛け違い
  ・均等待遇をもう少し柔軟に考える
  ・公的生活保障と公的教育訓練の必要性
  ・非正規労働者からジョブ型正社員へ

前半部分は、「日本には真の、絶対的な労働時間規制がない」という現実をベースに、「命と健康を守ることを目的に真の労働時間・休日規制を実現すべき」であって、そのために「総実労働時間規制」「勤務間インターバル規制」「絶対休日規制」などの政策が必要である、というお話でした。

私が注目したのは、前半の締めくくりの部分です。ここで濱口さんは、「個々人が自分の働き方=労働時間を決定できる仕組みが必要」であって、そのためには現在、いわゆる36協定で一律に事業場に適用されている時間外労働に関する規定を個々人がオプトアウトできる(もしくは個々人がオプトインする)方式を検討すべきではないか、と主張されました。この点、私も全く同感です。今の制度下では、自分が就職(就社)した事業場にはすでに36協定が存在している状態がほとんどですから、個々人には時間外労働に関する選択の余地がないわけです。時間主権の実現には、やはりこの点の改革が必要ですね。

そして後半部分は、均等待遇についてですが、濱口さんは「均等待遇をガチガチの概念ではなく、もう少し柔軟な概念として捉えるべきではないか」と主張しつつ、結論として「非正規労働からジョブ型正社員への転換が必要」という問題提起をされました。

この点は、いつも濱口さんのブログをフォローしつつ、「新しい労働社会」を愛読している私にとっては「おっ、濱口節、来たぞ!」と言った感じでしたが、初めて聞く議員の皆さんには新鮮かつ刺激的だったのではないでしょうか。質疑でも、「ジョブ型正社員」に関する部分に質問が集中してました。

結局は、「使用者側の持つ絶対的人事権」との引き替えに担保されている(はずの)「強い雇用保障」を、相互に「ほどほどの人事権」と「ほどほどの雇用保障」へと転換しよう、ということですね。契約社員などの有期雇用との違いは、正社員だから期間の定めのない雇用だという点が最も大きいわけですが、そのジョブが無くなってしまった場合には、雇用契約も終了して良い、ということになるわけです。ジョブ型正社員というとイメージしにくいかも知れませんが、例えば「地域限定の(特定職務)正社員」のような形をイメージすれば分かり易いかも知れません。

もちろん、解雇規制のあり方に絡むことなので簡単な議論ではありません。今日は、議員の反応も複雑だったように思いました。が、「多様な正社員」というのは検討メニューに入っていることなので、今後、しっかりと議論していきたいと考えています。

以上、今日の「働き方改革WT」の模様でした。次回は来週火曜日の同じ時間で、労働時間規制のあり方についてさらに掘り下げて議論して行きたいと思います。

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