石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

東電福島第一原発の汚染水対策の状況について

2013-09-02 23:32:29 | 活動レポート

東電福島第一原発で、汚染水貯蔵タンクからの汚染水漏洩が次々と発覚しています。場所によっては、毎時1800ミリシーベルトという高線量の放射線量を示しているところもあり、問題は相当に深刻です。

すでに、この汚染水流出問題に関しては、8月20日に300トンの汚染水漏れが発覚した際、原子力規制委員会が国際原子力・放射線事象評価尺度(INES)の「レベル3=重大な異常事象」に該当するとしていました。その後、定期点検を強化したことで複数の漏洩箇所が見つかっているわけですが、そうすると、一体この漏洩がいつから起こっていたのか、実際にどれだけ漏洩してきたのか、漏洩した汚染水がどこへ行ったのか、今後、さらなる漏洩が起こる可能性があるのか、それをどう防ぎ、対策を講じるのか、などなど、多数の疑問や問題が浮かび上がるわけです。

民主党は、汚染水問題発覚後、『東京電力福島第1原発汚染水対策本部(本部長・大畠章宏幹事長)』を立ち上げ、その後、対策会議や現地視察、東京電力からのヒアリングを行うなど、精力的に活動を続けています。8月30日には、国会内で第2回会議を開催し、東京電力、資源エネルギー庁、原子力規制庁から汚染水の漏えい問題の最新状況、対策の進捗状況ついて説明を聴取していました。
 


(民主党東電福島第1原発汚染水対策本部第2回会合の模様。出典:党HP)


私も、これに先立つ8月27日、資源エネルギー庁および原子力規制庁から担当者を国会事務所に呼び、状況説明を求めるとともに今後の対策について意見交換をしています。また、今日の午後、国会内で『国会エネルギー調査会(準備会)臨時会~福島第一原発の汚染水対策を検証~』が開催され、私も出席してきましたが、内容(資源エネルギー庁、規制庁、東京電力からの説明)はほぼ、同じことの繰り返しでした。
 


(今日、院内で開催された国会エネ調臨時会の様子)

 
これらの会合では、まず東京電力から汚染水漏れをおこしたタンクの状況について説明があり、その上で今後の漏洩対策として、主に以下の施策について説明がなされています:

  1. 漏洩を起こしたタンクと同型のフランジ型タンクの全数点検
  2. 漏洩を起こしたタンクと同様に「設置後に移設」したタンクからの汚染水の移送
  3. 汚染土壌の回収
  4. タンク廻りの堰の点検・補強
  5. モニタリングの強化(→海洋へ通じる排水溝海側のモニタリング。海洋への流出可能性は「調査中」)
  6. タンクエリアのパトロールの強化(→要員を60名体制に。これまでは10名だった)
  7. 汚染水タンク廻りの堰排水(ドレン)弁の「閉」運用への変更(←これまで「開」運用だった)


また、今後の地下水の汚染・流出防止策としては、「緊急対策」と「抜本対策」の二本柱について以下の説明がありました:

【緊急対策】

  • 汚染した地下水の港湾・海洋への流出防止のため、汚染エリアの地盤改良等を行う
  • 汚染源を取り除くため、トレンチ内に溜まっている高濃度汚染水を除去する
  • 建屋内への地下水流入を防止するため、建屋山側の地下水をくみ上げる(地下水バイパス)

【抜本対策】

  • 海洋流出阻止のため、海側に遮水壁を設置する(建設中。2014年9月完成予定)
  • 汚染水増加を抑制するため、陸側遮水壁を凍土方式で設置する
  • 原子炉建屋等への地下水流入を抑制するため、サブドレインから地下水をくみ上げる


まず、大変残念なのは、これらの施策の多くは民主党政権下で提案されていたものであって、それがもしすでに実施されていれば、状況は大きく違ったのではないかということです。

また、問題は、汚染水の収支がはっきりしていないことです。結局、どれだけの汚染水がまだタンク内にあって、どれだけ漏れたのか、漏れた汚染水がどこにあるのか、明確になっていないわけです。海洋への流出の可能性について、東電はその可能性を否定していないながらも、湾内や近海での放射能の数値が上がっていないと報告しています。しかし、海洋でのモニタリングの状況については、今ひとつハッキリしない部分もあって(モニタリングの方法、箇所、深度、頻度など)、私もその辺のさらなる情報提供を求めているところです。

以上、かいつまんで、汚染水問題の現状について、その対策を中心に報告しました。今後、対応を続けて行きますので、あらたな情報についてはまた随時、報告していきたいと思います。


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