おととい(11月2日)のニュースで、福島第一原発2号機の原子炉内で放射性キセノンが検出され、「小規模の臨界が局所的に起こった可能性がある」と報道されたのを聞いて多くの皆さんが驚愕したのではないかと思います。
私たちも、報道でこの件を知り、皆さんと同じように驚愕しながらも、政府に対して即刻、情報を提供するよう求めました。結論から言えば、すでに昨日のニュースで流れたように、検出されたキセノンは「原子炉の燃料からできる放射性物質キュリウムなどが自然に核分裂を起こす「自発核分裂」によって発生したもの」で、「臨界はなかった」ということです。
しかし、そう簡単に「違いました」と言われても、私たちは簡単に引き下がるわけにはいきません。今日の民主党『原発事故収束対策PT』総会でも議論になりました。
総会では、原子力安全・保安院の専門家があらためて上記のような内容で「臨界ではなかった」ことについて説明してくれたわけですが、私たちの疑問は、「なぜそんなことが最初の段階で分からなかったのか?」ということなのです。
だって、保安院の説明では「今回実測されたキセノンの放射能濃度は、臨界状態で通常発生するキセノンの放射能濃度に比べて非常に小さい=約1万分の1」から「臨界ではあり得ない」とされています。であるならば、最初にキセノンが検出された段階で、いわゆる「専門家」の皆さんには「臨界ではあり得ない」ことがすぐに分かったはず。にも関わらず、2日の段階では「臨界の可能性あり」と発表し、24時間後に「臨界ではあり得ない」と否定したわけです。
いたずらに国民に動揺を与えてしまったことは否めませんし、果たして東電・保安院は本当にあらゆる可能性を考慮しながら原子炉の状況把握に努めているのか、あらためて疑念を生じさせてしまったことも遺憾です。
とにかく、東電にも保安院にも、もっとしっかりして欲しい。今、1号機から3号機の原子炉がどのような状況にあるのか、それをどこまで把握出来、どこから把握出来ていないのか、そこから考えられる今後の可能性にどのようなものがあるのか、一つ一つのシナリオにどのように対応するのかなど、きちんと情報を開示し欲しい ----- それが今日のPTの結論でした。今後も追求していきます。