石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

テレワークの普及に向けた課題

2011-05-18 23:40:11 | 活動レポート
今日の民主党政調「情報通信ワーキングチーム(WT)」の会合は、『災害時の事業継続、節電対策におけるテレワーク活用について』というテーマで、社団法人日本テレワーク協会の皆さんからヒアリングを行いました。

これまでも、私が事務局長をしている「働き方改革WT」の方で多様な働き方の選択肢の一つとしてテレワークに注目し、さまざまな議論を行ってきていました。その意味で、今日のヒアリングは私にとっても非常に興味のあるテーマでした。

日本テレワーク協会からは、主にテレワークの定義や形態、日本におけるテレワークの普及状況、テレワーク導入の利点、などについて話がありました。特に、大震災後の現状を踏まえて、節電対策や事業継続にテレワークが大いに役立つことについて説明がありました。

質疑応答で、私は「日本でなぜ、在宅型テレワークが普及しないのか?」という質問を投げかけました。広い意味でのテレワークは着実に拡大してきているのですが、私たちが注目する在宅型テレワークは普及が進んでいないばかりか、むしろ後退しています。その理由はなぜか?という問いかけだったのですが、私自身が挙げた問題提起は下記の3点です。

まず、企業側の理由として、労務管理とチームワークの問題があります。日本の労務管理は、基本的に時間の管理によって行われていますから、時間管理のはっきりしないテレワークは敬遠されるのです。そして、日本の職場はだいたいチーム(部署)での作業なので、チームのメンバーが一緒にいないと仕事にならないのです。

そして、労働者側の理由としては、何と言っても賃金の問題があります。会社がテレワークをコスト削減策として導入する限りは、テレワーカーの賃金は切り下げられ、それだけでは生活出来ないような収入しか得られないのです。昔的に言うと、家でやる内職のような感じで、あくまで家計補助的にやるのでなければ生活が成り立たないわけです。また、往々にして、パソコン、ネット、電気代などのコストを自分で負担することになります。賃金は安いのにコストはそれなりにかかるのでは、とても普及しないです。

最後に、行政の側の理由として、労働基準法や労働安全衛生法の適用が難しいという問題があります。会社にいれば、管理者がいるので法の適用が明確ですし、責任の所在もはっきりします。それが在宅勤務になると、会社の監督責任が及ばない領域での作業になり、誰が労働環境や安全衛生に責任を持つのか、という話になるわけですね。

以上が、在宅型テレワークが日本で普及しない理由なのではないかと質問したわけです。

日本テレワーク協会の皆さんからは、これらの課題については確かに、阻害要因として認識をしているとの回答がありましたが、なかなか難しい問題だけに、今後とも克服に向けた対応を進めて行かなくてはならない、ということでした。

私たちも、引き続き在宅型テレワークの普及を進めていきたいと思っていますが、上記の課題を克服しなければなかなか普及が進まないのが現実だと思っています。とりわけ、賃金については、オフィスでやろうが在宅でやろうが、同じ価値の仕事をした場合には同じ処遇が受けられるような形を確保しないとダメだと思います。その辺は、企業側の取り組みにかかっているので、ぜひとも経営者の皆さんの積極的な対応をお願いしたいと思います。