◆強まる警戒感
「波紋が大きすぎて困っているんだよ」
衆院本会議が終わった16日午後の衆院玄関で、自民党幹事長代理を辞任した園田博之衆院議員は、離党を表明した鳩山邦夫元総務相と鉢合わせになり、視線を合わせないようにしながら、こうぼやいた。周囲への事前相談もないままの鳩山氏の突然の行動に困惑を隠せないようだ。実際、執行部側が警戒感を強めたことで、鳩山氏以外の「離党予備軍」たちはかえって動きにくくなった。
[図で見る]鳩山邦夫元総務相の「新党」構想と相関図
鳩山氏は園田氏に「目と目で話し合っているから大丈夫だ」と笑顔で答え、車に乗り込んだ。同調して離党する議員が現れることに自信を示したようだが、鳩山氏が考えているほど順調に新党結成への動きが進んでいるとは言えない。
この日、鳩山氏は連携相手と目される与謝野馨元財務相と都内でじっくり会談する予定だったが、報道陣監視では突っ込んだ話ができないと会談は見送られ、本会議場で数分間、会話をかわしただけに終わった。
その与謝野氏のもとに園田氏から電話がかかってきたのは、この日の夜のことだ。
「鳩山さんとは接触しない方がいい」
園田氏はこう忠告した。また、園田氏は、議員食堂で同志の後藤田正純衆院議員らとも今後の対応を協議。後藤田氏はその後、「唐突に離党するのは同調できない」と鳩山氏を批判し、距離を置く見通しを示唆した。
無所属の平沼赳夫元経済産業相との連携もそう簡単ではない。「平沼グループ」内には鳩山氏に拒否反応を示す議員がいるからだ。
鳩山氏の側近の動きも鈍い。夕方、鳩山氏の事務所を訪問した河井克行衆院議員は記者団に「いろんな可能性はあるだろう」と述べるにとどまった。
◆やまぬ執行部批判
ただ、鳩山氏の突発的な離党表明への理解者が少ないからといって、自民党内の執行部批判が下火になっているわけではない。
党役員会では、石破茂政調会長が総裁交代手続きが取れる両院議員総会の開催を提案した。山本一太参院議員らが執行部一新を求めるために計画していた谷垣氏との面会は直前に中止になったが、「鳩山氏と同一行動とみられかねないから先送りしただけだ」(中堅)という。また、礒崎(いそざき)陽輔参院議員らは、若手の活躍の場がないことへの不満から、「影の内閣」の設置を谷垣氏に求めた。
幹部級議員さえ「嫌なことはとにかく先送り。頑固なのではなく、順応性がないだけだ」と谷垣氏らの腰の重さに不満いっぱいだ。
これに対して、谷垣禎一総裁は本会議前の代議士会で、悲痛な表情で鳩山氏を批判し、団結を訴えた。
「議論は歓迎するが、日限を区切って新党を作るとなると、党の団結や参院選勝利への障害になるのは明らかだ。死にものぐるいで参院選へ態勢を作るので、ご結束をお願いしたい」
複数の議員から「そうだ!」という声が上がった。だが、自民党の動揺はおさまりそうにない。
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「波紋が大きすぎて困っているんだよ」
衆院本会議が終わった16日午後の衆院玄関で、自民党幹事長代理を辞任した園田博之衆院議員は、離党を表明した鳩山邦夫元総務相と鉢合わせになり、視線を合わせないようにしながら、こうぼやいた。周囲への事前相談もないままの鳩山氏の突然の行動に困惑を隠せないようだ。実際、執行部側が警戒感を強めたことで、鳩山氏以外の「離党予備軍」たちはかえって動きにくくなった。
[図で見る]鳩山邦夫元総務相の「新党」構想と相関図
鳩山氏は園田氏に「目と目で話し合っているから大丈夫だ」と笑顔で答え、車に乗り込んだ。同調して離党する議員が現れることに自信を示したようだが、鳩山氏が考えているほど順調に新党結成への動きが進んでいるとは言えない。
この日、鳩山氏は連携相手と目される与謝野馨元財務相と都内でじっくり会談する予定だったが、報道陣監視では突っ込んだ話ができないと会談は見送られ、本会議場で数分間、会話をかわしただけに終わった。
その与謝野氏のもとに園田氏から電話がかかってきたのは、この日の夜のことだ。
「鳩山さんとは接触しない方がいい」
園田氏はこう忠告した。また、園田氏は、議員食堂で同志の後藤田正純衆院議員らとも今後の対応を協議。後藤田氏はその後、「唐突に離党するのは同調できない」と鳩山氏を批判し、距離を置く見通しを示唆した。
無所属の平沼赳夫元経済産業相との連携もそう簡単ではない。「平沼グループ」内には鳩山氏に拒否反応を示す議員がいるからだ。
鳩山氏の側近の動きも鈍い。夕方、鳩山氏の事務所を訪問した河井克行衆院議員は記者団に「いろんな可能性はあるだろう」と述べるにとどまった。
◆やまぬ執行部批判
ただ、鳩山氏の突発的な離党表明への理解者が少ないからといって、自民党内の執行部批判が下火になっているわけではない。
党役員会では、石破茂政調会長が総裁交代手続きが取れる両院議員総会の開催を提案した。山本一太参院議員らが執行部一新を求めるために計画していた谷垣氏との面会は直前に中止になったが、「鳩山氏と同一行動とみられかねないから先送りしただけだ」(中堅)という。また、礒崎(いそざき)陽輔参院議員らは、若手の活躍の場がないことへの不満から、「影の内閣」の設置を谷垣氏に求めた。
幹部級議員さえ「嫌なことはとにかく先送り。頑固なのではなく、順応性がないだけだ」と谷垣氏らの腰の重さに不満いっぱいだ。
これに対して、谷垣禎一総裁は本会議前の代議士会で、悲痛な表情で鳩山氏を批判し、団結を訴えた。
「議論は歓迎するが、日限を区切って新党を作るとなると、党の団結や参院選勝利への障害になるのは明らかだ。死にものぐるいで参院選へ態勢を作るので、ご結束をお願いしたい」
複数の議員から「そうだ!」という声が上がった。だが、自民党の動揺はおさまりそうにない。
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