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伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
 伊勢の山々から志摩の海までの、自然史スポット&とっておき情報など…。
  感性の趣くままに-。

言葉の遊び、あれこれ …。

2012年09月06日 | 随筆・雑感・回想など
Isuzugawa

 

 日本語と言うと、平仮名に、漢字、そしてカタカナと、世界各国で使われている言語文章と比較をしてみると、文法も含めて実に複雑すぎる。当たり前の事だが、この複雑な母国語を日本人は巧みに使いこなす。
 北海道の一部に残る「アイヌ語」を除けば、方言の違いはあっても、多民族国家のように地方によって言語が異なることもなく、全国どこに行ってもしごく普通に話ができ、文字が読め、文章が書ける。だのに庶民は、日頃、この日本語のことばのありがた味や、おもしろさをあまり意識せず、昨今は、むしろ英語(英会話)や韓国語、中国語に関心を寄せるようになった。


 さて、「言葉の遊び」と言うと、まず昔からあった「回文」があげられる。上から読んでも下から読んでも、同じに読めると言う言葉や文章である。例えば、「しんぶんし」(新聞紙)や「こねこ」(仔猫)、「きつつき」(啄木鳥)、「志摩市」(しまし)、「竹藪焼けた」、「私貸したわ」とか「男子が死んだ」など・・・。ちょっと考えれば、他にも幾つかあるだろう。少し長い文章として、昔からよく知られている和歌に、
 「草くさの名は知らぬらし 花守りも 名は知らぬらし 花の咲くさく」
と言うのがある。

 漢字の熟語では、テレビのコマーシャルにも出てた「山本山」をはじめ、「水道水」や「日和日」、「日曜日」。さらに「馬車馬」、「石垣石」、「人」、「市川市」、「東北東」など、次々と出てくる。
 これは、英語の綴りでも考えられる。以下の単語がそうである。
  level   eye  redder  reviver  noon   pop  poop
  
 さらに、日本語を英語のスペル(ローマ字)に書き直しても、色々ある。 
  akasaka(赤坂)、isesi(伊勢市)、uraru(ウラル)、ekieike(駅へ行け)、
  ono(小野、斧)、nirin(二輪、二厘)、ama(海女、尼、亜麻)など。

 英語の話になったついでに、ジョーク話の中に、「一番長い綴りの単語は?」との問いに、“smiles”との答えのある事は良く知られている。(意味は考えてみて下さい。)

 和訳として、特に面白いものをあげると、“Cat mint”=「犬薄荷」で、猫が犬に化けてしまう。又、“Pineapple”(パイナップル)をちょん切ると、「松」と「りんご」になってしまう。
 さらに、“a naive girl”を「箱入娘」と訳し、“think or swim”を「乗るかそるか」と訳している。正に和訳の妙であるが、「外来語辞典」や「カタカナ新語辞典」などから根気良く探せば、他にも色々と見つけられるだろう。

 和訳と言えば、かつて“Base ball”を「野球」と訳したのをはじめ、スポーツ用語には、当を得た実に巧みな訳語の言葉が沢山ある。戦時中の外来語(英語)の苦肉の策極まりない和訳も含めて、探してみてはいかがでしょう。 逆に日本語の言葉を巧みに英訳しているケースもあるが、「新幹線」とか、「津波」、「寿司」、「刺身」、「餅肌」などは、英訳がきかず、日本からの外来語としてそのまま使われているようだ。


 次に、面白いのは、やはり暗号や隠語ではなかろうか? 江戸時代から伝わる、一から十までの隠し言葉(暗号)として、

 大無人(だいむじん、一)、天無人(てんむじん、二)、車無中(しゃむちゅう、三)、署無者(しょむしゃ、四)、吾無口(ごむこう、五)、交無人(こうむじん、六)、切無刀(せつむとう、七)、只無口(ただむこう、八)、旭無日(きょくむじつ、九)、田無口または早無日(たむこう・そうむじつ、十)

と言うのがある。
 隠語では、痴語は別として、古くから使われていた言葉に、アイスクリームが「高利貸し」、一六銀行(いちろくぎんこう)が「質屋」。他にも、カップラーメンが「一言居士」(言うだけの人)、ウラガールが「裏のある女の子」、アンナカレリーナが「あんな彼いいな」などもあったが、今は余り聞かず「死語」になっているのかも知れない。

 又、警察用語をみると、ホトケが「死体」、ガイシャが「被害者」、ホシが「犯人」、アラウが「調べる」、ブツが「現物」、ハジキが「拳銃」、ヤサが「隠れ家」、ガサ入れが「家宅捜査」、ワッパが「手錠」など、いくらでもあるし、芸能界や花柳界、法曹界や経済界、スポーツ界(相撲界)、マスコミ用語などについても、細かく調べれば、次々と出てくるはずである。
 さらに、昔の武家用語などもみてみると、お金を持ち合わさない事を「手元不如意」(てもとふじょい)とか、便所を「雪隠」(せっちん)や「厠」(かわや)とか、女性が自分を「わらは」と言っていたように、日本語の言い回しの複雑さと、意味の不可解さにとまどってしまう。

 戦後の訳語や造語にも、色々と変わったものがあり、最近では「略語」のほか、「流行語」や「新語」のコンテストなどもあって、少し言葉の使い方が乱れている感もあるが、それはそれで時代や世相を繁栄していて、結構面白い。特に、「新幹線」は見事な新語で、日本語としてはもちろん世界各国にも定着しつつある。
 少し古いが記憶に残っている言葉に、「オバタリアン」や「ミミドシマ」(耳年増)、「ギャル」、「歴女」、「草食系」などがある。最近、よく耳にするのは、学術造語も含めて、「活断層」、「端末」、「文言」、「マニフェスト」など、など・・・。
 このエッセイの最後は、「言葉の遊び」らしく、謎かけ5題を記して締めくくります。
 1.日本の「U.S.A」って何県にありますか?
 2.“Fourth or fifth city in U.S.A”って、アメリカのどこですか?
 3.交叉点の「信号機」のような人って、どんな人?
 4.「常夏のような人」って、どんな人? 答えは複数で、その一つは
   「なでしこ」(秋の七草・「撫子」の別名)。   
   あと一つは・・・。
 5.「しかくてまるいもの」って、はてさて何でしょう? Photo
   「雪がとけると何になる?」の質問
   の答え方として、「春になる」の
   ように、水平思考も大切ですね。





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