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フィンランド陶芸とマリメッコ展

2018年12月03日 | かんしょう
  先月のことになりますが、ただいま岐阜県現代陶芸美術館で開催中のフィンランド陶芸展と、同時開催のマリメッコ展を観てきました。

  

 

 最近の北欧ブームのおかげでフィンランドデザインを目にする機会は多い気がしますが、意外にも陶芸のみに焦点を当てた展覧会は無かったようです。言われてみればイッタラやアラビアの食器は注目されているけれど、それ以前の歴史って分かりません。
 今回展覧会を観たことで、フィンランドのデザインへの取り組みがロシアからの独立を踏まえて始まっていることを改めて実感しました。
 以前にフィンランド・デザイン展を観た時にも年表はありましたが、その時は会場の華やかさの方に気が取られていてその背景にはあまり注目していませんでした。
 しかし今回は、国の産業として陶芸に力を入れていたことやその手法を知り、フィンランドの歴史を考える良い機会になりました。
 
 フィンランドの陶芸を語るには、1900年のパリ万博と1917年のロシア革命がポイントになる気がします。
 フィンランドは長い間、スウェーデンとロシアの間で支配され続けていて20世紀初頭はロシアからの独立を目指していました。1900年のパリ万博でフィンランドの美術・工芸が高く評価され、国民に誇りと自信が生まれたのもこの頃です。
 1917年にロシア革命が起きると、その後フィンランドも独立を果たし、自国の手工業の発展に取り組むこととなります。
 そして、そのうち陶磁器においては学校と製陶所を舞台に様々な試みが行われるのですが、その中で画期的だったのが製陶所内に設立された美術部門だったのです。
 そこでは、給料をもらいながら自由な創作活動が許されており、まさにこの展覧会の副題である「芸術家たちのユートピア」がありました。
 国を挙げての文化政策のおかげでフィンランドの陶芸は世界的な潮流を生み出すほどの豊かな発想を持った表現が育まれたのでした。

 フィンランドの陶芸というのはかなり新しい時代の流れだったんですね。そして、フィンランドの陶器=アラビアという構図は間違っていないどころか本流だったことを知りました。

 さて、パリ万博の頃の陶芸作品から始まり現代までの流れが紹介されているこの展覧会。美術工芸中央学校とアラビアから輩出された作家・デザイナー別に作品が紹介されています。
 ここで驚いたのが、女性デザイナーが大半を占めていたことです。
 日本では20世紀の初めなんて、女性が社会進出すること自体が難しかった時代です。しかし、フィンランドでは学校長を務めたり、その教え子たちで頭角を現したデザイナーの面々に明らかに女性が多いのです。これは国民性なのでしょうが、明らかに考え方が先進的です。性差というものでなく、その人の個性や能力を評価するというのが当然のように受け止められているのが分かって、デザインの良さよりもまず、このことに感動しました。

 もちろん、デザインも素晴らしいです。
 現在、イッタラのバードシリーズに見られる表現がミハエル・シルキンやビルゲル・カイピアイネンから始まっていることがよく分かります。イッタラバード、好きなんですよねぇ。
 カイピアイネンについては、現在の食器デザインにも絵柄が残っているので、あの個性を生み出したデザイナーはこんなのも作っていたのか、と思うような作品があって非常に面白いと思いました。
 また、シャルバリの蛍手食器《ライス・ポーリセン》シリーズも美しかったし、アウネ・シーメスの卵殻磁器(生乾きの状態を削って文様を表現する)も透き通る白さが繊細で美しいと思いました。
 
 同時開催のマリメッコ展はテキスタイルがメインです。



 大胆な柄や色彩で、空間が非常に楽しくオシャレになってます。華やかだわ~。
 馴染みのあるものもありますが、こうやって見るとワクワクしてしまいました。
 

 前回、加藤土師萌展を観に行った際、ショップ横のギャラリーでStudio MAVO展が開催されていました。
 その時に見た藤井雅子さんという作家さんの作品(雲の形の花器)が忘れられず、今回購入。
 ネットショップとか無いんだもん。買えて良かった

 玄関にある鳥のレリーフと、山中現の版画にこの雲がぴったりだと思ったのよ
 この子たちが来てからというもの、玄関を通るのが楽しくなった私なのでした。
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