ふえうふふ - hyalaliの笛日記 -

2005年10月に笛を習い始めました。邦楽囃子の笛のお稽古の記録として日記を付けています。阿波踊りの笛も吹いています。

(158)高尾懺悔-1

2013-11-25 | お稽古
派手な『俄獅子』からガラッと変わって『高尾懺悔』。全曲とも五本調子で。

■高尾懺悔

・笙
-幕開きは一ツ鉦。本当は雅楽の鉦鼓なのだが、歌舞伎では鉦鼓は打たないので。
-笙は共調子で吹く(五本)。笙のような流し笛のような。抹香くさい感じで。
-吹き始めのところ、唄や三味線より先に出るくらいのタイミングで。合わせすぎると、流し笛のようになってしまう。

・ネトリ
-三味線が二上がりになり、高尾の亡霊が出るところに能管でネトリ。
-調子を下げている間にネトリを吹き始める。
-「紅葉の~」に入ってもしばらくネトリを吹く。
-ネトリは、メリカリを使いながら、指を横にずらして音を上げ下げする。下げるときは、孔を全部ふさぐと音がストンと落ちてしまうので、全部はふさがない。下り方は、3段階段を上がったら1段下りる感じで。
-単に能管の音を出すのではなく、“亡霊が出るぞ~”という気持ちが大切。
-前半なのであまりアバレ過ぎないように。全部吹かずに間をあけて、時々吹く。

・紅葉
-「春は昔になりにけらし」あたりから竹笛を入れる。
-めりやすの「もみぢば」とは三味線の手組がだいぶ違う。
-最後は、三味線がオトシの手を弾くので吹き止める。


ネトリが苦手で、ネトリの出てくる曲を家であまり浚わないので、吹き方をすっかり忘れてしまった。浚っていないことがバレバレだった。

俄獅子@川崎邦楽祭

2013-11-24 | 会に出る
プライベートがいろいろと混乱していて、笛の日記の更新が滞ってしまいました。

俄獅子は、お稽古をさらに4回重ね、出演者全員の合同練習(11/4)、お囃子だけの練習(11/16)、下浚い(11/23)を経て、本日の川崎邦楽祭が本番。

今回は本当に得るものが多かった。

まず、上がらなくなったこと。以前は、人前で吹くと“唇震え病”になってしまい、息のコントロールを失ってしまっていた。舞台はもちろん緊張するけれど、唇が震えることはなくなった。それなりに場数を踏んだからだろうか。ただ、緊張して息が浅くなり、笛の息が持たなくなるところはまだまだ。

次に、他の音を聴きながら吹けたこと。竹笛のところは、三味線と唄の両方を聴きながら吹けた。まだ“絡む”というレベルではないけれど、その前提には両方の音を聴くというレベルがあるわけで、それが出来たのは収穫だ。ただ、時々、吹くことに夢中になってしまい、ピッチのズレに気づかないことがあった。そういうことも、頭で考えるのではなく体が自然に動くようになると良いのだが。

それから、他のパートが乱れても混乱せずに吹けるよう、準備ができたこと。実は今まではかなり太鼓に頼っていた。でも太鼓だけを頼りにしたり、三味線だけを頼りにしたりするのでなく、いろんなパートの音を確認しながら吹けた。自分の笛のお浚い会ではなく、こういう合奏の時には、お互いに寄りかかるのではなく、それぞれが自立して支えあうことが大切だとわかった。

最後に、力まないで吹くコツがちょっとわかったこと。この俄獅子では、各所の一発目の日吉が出ないことに、ずっと苦労していた。今日、本番直前に控室で、音を控え目にして、唄・三味線・囃子の全員で一通りさらったとき、笛も、かなり音を控えて吹いたのだが、そうしたら、日吉が出るじゃないですか。そうか、つまり力を抜いて力まないで吹けば日吉は出るのか。それで、本番ではだいぶ日吉の確率をあげることができた。しくじったところもあるけど、段切の最後のヒイが気持ちよく吹けて、「終わり良ければすべて良し」という気分。

撮ってもらった動画を見て、姿勢も以前に比べれは背筋が伸びていて改善された。ただ、眼をつぶって吹いていることが多かったり、竹笛のところで変に体をくねらせて吹いているので、ちょっと気になった。今後の課題。

そんなこんなで、今回の俄獅子は、甘目の85点。そして、こういう機会を作ってくださった関係者の皆様に感謝です!