23日(日)、加東市新町、吉馬の2地区で地蔵盆の盆踊りが行われました。澄んだ空気が広がり、空には半月が光っていました。涼風が吹く心地良い夜の広場には、やぐらを囲む踊りの輪ができ、加東よしよし音頭や炭坑節、河内音頭など太鼓や鉦の音に合わせて多くの人が踊りを楽しみました。
新町は江戸時代のはじめ、約400年余前に加古川舟運の川港の町としてつくられた町です。播磨内陸の米が加古川の港に集められ高瀬舟で河口の高砂まで運ばれたのです。新町には今も大正時代のはじめまで使われた舟着場の跡が残っています。踊り会場は集落の中心にある交流会館前の広場。そこから少し北に歩いたところに旧加茂村の役場の建物があり、その裏に地蔵堂があります。地蔵堂の境内には、わが子の健やかな成長を祈って名前の入った多くの提灯が下げられていました。、
吉馬の踊りは阿弥陀堂前の小さな広場が会場でした。お堂は加東四国八十八ヶ所の第七番霊場であり、吉馬開発の祖、高瀬吉兵衛翁の記念碑があります。境内には北向き地蔵が祀られており、毎月21日には地区の人がお参りし、9月の彼岸には念仏講の高齢者と子供たちによる大数珠繰りが行われています。地域の歴史、信仰、心の拠り所となっている阿弥陀堂の前で三世代がそろい、今年も賑やかに盆踊りが行われました。