ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

河高八幡神社厄除祭りと銭まき

2015年02月14日 05時51分42秒 | Weblog
           

           

 2月11日(水)、建国記念の日の佳き日、穏やかな天気の下、加東市河高地区の八幡神社で恒例の厄除け祭りが行われました。八幡神社は県立播磨中央公園の中に位置しており、多くの人が参拝しました。神社境内では、地元河高地区の皆さんがうどんやおでん、温泉たまごなどの接待をされており、参拝者を温かく迎えておられました。
 八幡神社の拝殿からさらに坂道を上っていくと、山頂の大岩のある場所で恒例の厄年にあたる人たちによる銭まきの行事が行われていました。法被を着た地区の子供達が参拝者がまく銭(硬貨)や菓子、餅などを拾います。今年は例年になく人出が多く賑わっていたように思いました。地域によって大切に継承されている伝統行事です。
 八幡神社とこの銭まき行事についてこれまでこの歴史ブログで紹介してきた話を再掲します。


 河高八幡神社は、今から約470年前の天文4年の創立とされており、「厄除けの霊験頗る顕著」なお宮さんとして知られています。厄除けのお祭りが毎年1月19日に行われ、この日には旧加東郡や加西、多可郡から多くの人が参詣し賑わってきました。近年は2月11日に行われています。
 この厄除祭では、地元出身の成功者や厄年の人たちが神社のある山の頂の祠のある大岩の前でお金(硬貨)や菓子、餅などをまき、それを子どもたちが拾うという行事が行われることでも知られています。神社本殿から山頂へと整備された道をのぼると、巨岩の前の広場には法被姿の子どもたちが群れています。そこへ袋やお盆にお餅などを持った人たちが現れ、巨岩の上の祠にそれをお供え、拝んだあと、子どもの方に向かって硬貨やお菓子をまきます。子どもたちは歓声をあげながらそれを拾って用意した自分の袋に入れていきます。周囲では子どもの親御さんや家族がその光景を微笑みながらみています。
 戦後の一時期、女の子も参加したようですが、今は地区の男の子だけが参加できることになっています。この祭りを「奇祭」とよび、子どもがお金を拾うという行為を好ましくないなどという観点から一部の批判があったことは確かで、かつて毎年新聞でそのようなコメントが付けられていました。しかし、このお祭りは厄除けの祭り、伝統文化、地域社会などの観点から見るとそのような表面的な見方だけの批判は的はずれといわざるを得ません。子ども達は拾ったお金を特別なお金として大切に使い方を考えたと聞くきました。また、拾っている姿を見ていると、年長の者が年少の者に配慮しながら拾っている姿もありました。成功した人が地域に感謝の気持ちを示すというこうした姿勢をこの子ども達がまた継承していき、地域の維持発展につながることになると思います。

 
コメント
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