ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

藤田のとんど

2011年01月15日 05時57分47秒 | Weblog
 14日(金)、加東市藤田地区ではとんどが行われました。何日も前から田圃の中に大きなとんどが作られていたので楽しみにしていました。神戸から加東へ帰る途中でも各所でとんどの炎や煙が見えました。また、すれ違う車の中には荷台一杯に竹を積んだトラックもありました。ああ、とんどの竹だなと思いながら、多くの地域でとんどの伝統行事が行われていることをあらためて実感しました。
 藤田地区のとんどは市内各所のとんどの中でも大きさでは一番ではないでしょうか。地区の皆さん総出で田の中に大きなとんどを組み、そばの道、軒先では臨時の席を設け、ぜんざいや蜜柑の接待も行われます。昔は各隣保で行ったりしていたそうですが、地区の役員会、老人会、婦人会、子ども会など総出でとんど祭りを行うようになって今年で31回目だということでした。
 午後6時半、区長さんの合図で点火。一気に炎が駆け上り、バチバチという音とともに大とんどが炎に包まれました。火の粉が真っ暗な空に舞い上がります。遙か天空には月が光っています。「わあー」という歓声が上がり、しばらくするとボンという竹の破裂する爆音も響きわたります。夢中でカメラのシャッターを押しました。
 やがて、炎がまわって意外に早くとんどが崩れました。よく乾燥していたのでしょう。火が小さくなった頃を見計らって、子ども達が竹の先に書き初めをつけて炎にかざし始めます。「火が付いたら振ってみい」という大人の声がとびます。書き初めが火の玉のようになって空に舞い上がります。お父さんやお母さんに手伝ってもらいながら、次々と書き初めをかざしていきます。やがて、火がもっと小さくなると、とんどの火で餅を焼く人も出てきました。灰をもって帰る人もあると聞きました。火を囲みながら、そんな昔のことを話したり、子どもや孫の話題が出たり、何とも和やかな時間が過ぎていきました。
 とんどという伝統行事をこのように地域ぐるみで取り組んで来られた地区の皆さんの心意気が伝わってきました。
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