ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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「発達障害は治りますか?」を読み直して

2011-04-16 14:14:13 | 本や言葉の紹介

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 「発達障害は治りますか?」(神田橋條治ほか 花風社)については去年(2010年)11月18日のブログに書きましたが、また読み直したところ、今回は特に次のことが印象に残りました。
 神田橋先生の発言をご紹介します。

★フラッシュバックについて
・フラッシュバックは思い出したくない記憶が何かのきっかけで突然噴出するように思い出される現象です。
・今の刺激に類似した過去の刺激が芋づる式によみがえってくるんです。
・フラッシュバックするのは、意識に上がらない状態に押さえ込んでいるわけです。それがぱっと突然でてくるんです。こいつはいったん押さえ込まないといけないんです。で、抑えこんだら、今度万端整ったときに思い出して誰かに話したりすれば、そこではじめていつでも思い出すことができる記憶、思い出しても自分がゆり動かされない記憶として完成するんです。それがPTSDの治療の完成なんです。
*藤家寛子さん(アスペルガー症候群の当事者)の感想
  「過去にいじめられた恨みを、今目の前にいる人で晴らそうとする」、という説明は、フラッシュバックを体験してきた私にとってはまさに的確で、先生のこの説明によって、フラッシュバックする人の心理が多くの人に伝わればいいなと思った。

★問題行動について
・問題行動には、苦しさに対処するための行動という面があるんです。
 壁に頭をぶつける自閉症のお子さんも、苦しいから苦しさを振り払おうとあれをやっているんです。
・しょっちゅうリストカットする患者さんがいたの。
 そうしたらあるとき、ある看護婦さんが、まったく考えもなしに、「あなたは死にたくないから手を切るんだよね」って言ったの。そうしたらその子がわーっと泣き出して、それから二度と手を切らなくなった。
 そのときはね、「自殺を防ぐために自殺のまねごとをするんだな」と解釈したんです。もちろんそれがぜんケースに当てはまるわけじゃない。
・(問題行動は)何か心身にいい結果があるからやっているんでしょう。だからそれはなんなの、どんなときにしたほうがいいの、と訊いたの。あとは代替を探せばいいでしょう。

★引きこもりへの対処について
・一人になる時間をどこかに作って、人がいないところで静かにしていられるような場所を確保するといいでしょう。そうすると「一人になれる時間」が構造化されるでしょう。何時から何時まではここで一人で静かにしていられる、と、脳が安らぐための時間が設定されると構造化される。
・閉じこもる人っていうのは、刺激量を減らす必要がある脳体質なんですね。脳の中で行き交う刺激の情報量を少なくする必要がある状態に今、あるということです。だけどそういう時間が設定されていないと、のべつまくなしに閉じこもっていないといけない。一日二時間は閉じこもっていればいいということにすれば、あとの時間は出てくるようになるかもしれません。 

★あとがきから
 病気は診断が決まると、元の健康に戻すための治療法が定まります。
 だけど発達障害は病気ではありません。発達の凸凹です。しかも脳は発達しようと懸命にもがいているし、発達し続けています。
 元に戻す治療法などはないのです。あるのは未来へ向けての援助です。
 発達の凸凹は各人各様ですから、発達援助も各人各様のテーラーメイドのものになります。
 まず個々人の発達の凸凹具合を細かに把握する必要があります。

 なんでこれらが特に気になったのかなあと考えていたら、つい最近ちょっと不思議な反応を返されたことがあったからだと思いだしました。
 自分自身も含めてですが、人間の行動を理解するために役立ついろいろなことを得ることができる本の一つだと思います。

 


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