『ヘンでいい。―「心の病」の患者学』(斎藤学/栗原誠子 大月書店)ったら、うかつに紹介できないほど“キケンナホンネ”「そうなんだよねー」がたくさん。
大月書店の「内容説明」は以下の通り。
「栗原さんってホントおもしろいよねー。絶対治しちゃダメだよ」「斎藤先生だってかなりヘンですよ」……「治さない精神科医」斎藤学に「主張する患者」が挑んだ“こころ”問答。笑いと涙と激論の末に見えてくる、こころの治療の本質とは?当事者と医師の本音のぶつかり合いが心理学の常識を塗り替える、前代未聞の対話録。
著者を紹介しておきます。
斎藤学(さいとうさとる)
精神科医。過食・拒食やアルコール依存などの嗜癖(依存症)および家族の機能不全に関する研究の第一人者として、日本嗜癖行動学会理事長、日本子ども虐待防止学会顧問などを務める。
栗原誠子(くりはらせいこ)
フリーライターに。98年に患者として斎藤学と出会い、その後自助グループやコミュニティ通貨とかかわる。
では、誤解をおそれずに抜粋します。
栗原 今、セラピストとかカウンセラーになりたいという人がたくさんいるじゃないですか。それって、なんと言うんだろう……、いいことをやりたいとか、自分は癒す側の人間になりたいとか、問題のない自分がかわいそうな人を何とかしてあげたいっていうようなパターンが多くないですか。斎藤先生は治療者を養成する立場にいるから聞くんだけれど。
斎藤 まず捨てさせるのはそれだよね。治療者養成の第一段階は、治療者の持っている問題に気づかせること。自分がどれだけへんっていうか、おかしいかっていうことが本気でわからないと、治療的作業につかせるのはあぶない。スピリチュアリストとか細木さんとかがあぶないのはそこでしょ。背後霊とか何とかが問題なんじゃなくて。
(中略)
まあ、セラピストは金にならないからね。あれだけでやっていたらみんな貧乏なはずで、ならなんでやっているのかって言ったら、結局自分が育っていくっていうか、変わっていくおもしろさでやってるんだよね。
うっへっへ、本当だわ、これ。
それと、「自分はこういう苦労をしたからその経験をいかして人を救ってあげたい」って言うセラピスト志望者が多い。そう思っているならセラピストになるなんてことやめてほしいよう。
(中略)とした部分ですが、セラピストやセラピスト志望のかたにはこの略した部分をぜひ読んでほしいなあと思ったのでした。
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