ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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フランスの原発で大事故が起きないのは

2015-10-18 12:42:44 | 原発

 今朝の東京新聞の「あの人に迫る」欄で「東日本大震災の直後から被災地を幾度も訪れ、執筆を続ける作家荻野アンナさん」が取り上げられていました。荻野さんは震災前に国内外の発電所を訪れて原発について記事にしており、原子力の多くを原発に頼っているフランスでは、技術的に格段に優れているわけでもないのに大事故が起きていないのはなぜかと思っていたそうです。
 記事から、印象的な言葉を抜粋します。

 (震災前に視察に行き)フランス原子力庁の関係者と会い、情報の管理面で日本との違いを感じました。言われて印象に残る言葉があります。「原子力に関して、絶対に秘密があってはいけない」。原子炉の温度管理などの企業秘密は除くというただし書きは付きますが、原発を管理する哲学が一貫していると思います。
 これは日本との文化的な違いもあります。フランスをはじめ、キリスト教の世界では、「百パーセント安全」という発想はありえません。人間は間違いを犯す存在で、「完璧」は神の領域なのですから。それを知った上で原発を管理しているので、あの国で大事故が起きていないのだと悟りました。
 翻って日本はどうでしょうか。私の印象ですが、あの原発事故まで、電力会社は、事故の情報を隠す傾向にありました。その反動で事故後は、専門用語を羅列した説明を何でもかんでも垂れ流し、結果的に混乱を招きました。そこに哲学はなく、日本の原発の管理面の不備を象徴するようでした。


 うーむ、『人間は間違いを犯す存在で、「完璧」は神の領域』……。この言葉を読んで思い出したのよ。
 確か河合隼雄さんだったと思うんだけど、日本人は無宗教だと言われて、日本人には日本教がある、日々の暮らしのなかで自然におこなっている日本人らしい生き方がそれだ、というようなことを言ってた。言うならば生きている道徳ってことかしら。
 日本には「宗教」がないからでたらめをやるのかっていうと、そうでもなかったんだよねえ(過去形で言いたくないんだが……)。
 お天道様に顔向けできないようなことをするんじゃないとか、誰も見ていなくても神様仏様はお見通しだよとか、今そんなことを子どもに教える親っているのかな。第二次世界大戦後日本はがらりと変わり、よいことも何もかもひっくるめて戦前の思想・教育は悪いってことになっちゃったみたいだけど、よいものはつないでいきたいよねえ。
 (安倍政権がやろうとしているいわゆる「道徳教育」にはとってもとっても疑問があるけどさ)
 誰も見ていなくてもやましいことはしないという矜持、それがあるのが当然だった日本人は海外でも尊敬されていたんだよねえ。