昨日12月10日、朝日新聞「声」欄に作家の森村誠一さんの投書が掲載されていました。全文を紹介します。
●今、無力感に陥ってはならぬ
国民の全国的な反対の声に耳をかさず、特定秘密保護法の強行採決に無力感に陥った人は多いでしょう。前政権に失望した国民は、現政権に一票を投じたことを後悔していると思います。
現政権を見ていると、民主主義はあり得ないという思いを強くします。国民から選ばれた政権が任期中、国民の意思を無視して発動できる強権は、独裁政治と何ら変わりありません。国民がどんなに異議申し立てをしても国会で大多数が賛成すれば可決し、成立してしまいます。
太平洋戦争中、国民を欺き、国を誤らせた大本営発表は、まさに特定秘密保護法の原形です。現首相が強行した悪法は一代限りでなく、累代相続され、必ず強化拡張されていきます。善いことを強化するよりも悪いことを強化する方がはるかに楽であり、「悪貨は良貨を駆逐」します。
戦争の犠牲を全く無意味にする悪法成立の前で無力感に陥ってはなりません。この悪法を阻止するために国民は声をあげ、全国的な阻止運動を盛り上げていく秋(とき)であると思います。
文芸評論家の斎藤美奈子さんが、今日の東京新聞「本音のコラム」に「対抗の方法」というタイトルで書いている発言から抜粋します。
安倍晋三政権がここまで強権的だとは一年前には想像しなかったことである。
改憲をチラつかせるだろうとは思ったが、まさか一年後にこんな悪法を成立させるとは。
たった一年で日本はこんなにも「独裁体制」に近づいたのである。
何が「嵐は去った」だ。嵐はこれからだよ。
うん、巻き起こさなくちゃね。
このコラムで、「権力に対抗するための教科書」という副題がついている『独裁体制から民主主義へ』(ジーン・シャープ ちくま学芸文庫)のことを知ったので読んでみます。「非暴力行動」の方法として198の方法をあげているそうです。
しかーし、アタシみたいなノンポリがガタガタ言うようになっちゃったってのはかなり末期的状況ではあるまいか。
あーあ、こんなことでうろうろしないで安心してくだらないことをのんびりやってられる生活を守りたいんよ。あ、だから声をあげなきゃいかんのね。