ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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マツコさんと池田清彦さんも原発反対なのね

2013-06-25 17:40:41 | 原発

中浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 マツコ・デラックスさんも池田清彦さんもふつうとはちょっと違う視点をもってるなあ、おもしろいなあと思っていたんだけど、その二人が対談してたのよ。
 「マツ☆キヨ」(マツコ・デラックス 池田清彦 新潮社)から抜粋します。

 (マツコ・デラックスに核燃料処理推進キャンペーン関係のコマーシャルのオファーが来たが断ったという話で)
池田 核燃料処理というのは、たぶん高レベル放射性廃棄物をガラス固化体にして地下に埋める話のことだろうね。ガラス固化体ひとつで広島型原爆の約三十個分くらいの放射能がある。原発を動かしていれば高レベル放射性廃棄物はどんどん溜まっていくから、それをなんとか処理しなければならないわけで、そのための場所を国や電力会社は一所懸命に探していた。ドラム缶に詰めてセメントで固めて青森の六ヶ所村に積んであるのは低レベル放射性廃棄物だけど、高レベル放射性廃棄物であるガラス固化体は熱も出るから何十年もそれを冷却し続けなければいけないし、今のところ置いておく場所もない。だから地下三百メートル以下の深いところに埋めるという計画を立てて、それを推進するためのキャンペーンをしようとしていたところだったんだと思う。

 あんなの最悪だよ。
 高レベル放射性廃棄物すなわちガラス固化体をあまりつくらないようにするためにやるのが核燃料サイクルで、それはつまり、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムや燃え残ったウランを取り出し、再び核燃料として使おうとするシステムね。使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜてつくる燃料がいわゆるMOX燃料で、それを使う高速増殖炉の原型炉が「もんじゅう」。でも、「もんじゅ」は1995年にナトリウム漏れ事故を起こしてからトラブル続きで、今も運転停止の状態にある。つまり核燃料サイクルが全然うまくいかないから、高レベル放射性廃棄物がひたすら貯まるんだよ。2020年にはガラス固化体が4万本になるといわれている。どうしようもないから地下深くに埋めてしまおうという話なんだけど、日本みたいに地震がある国の地下に埋めて、大きな地殻変動が起きて、そのガラス固化体ごと壊れたらどうする気なんだろうね?

 (「もんじゅ」は)維持費だけで一日に五千五百万円もかかっているんだけどな。このままただひたすら、何十年もかけて冷却されるのを待って、廃炉にしていくしかないと思うよ。「もんじゅ」にはこれまで二兆四千億円くらいの金がかかっているんだけどね。

 それでも、この期に及んでまだ、原発は効率がいいとか、安全性に関しても原発は車よりも危険ではないなどと言っている人がいる。
 発癌性が高いもので恐ろしいのは放射性物質ではなくて煙草のほうだとかいってさ。おれは、そういう問題じゃないと思うんだけど。
 煙草を吸って死んだ人が何人いたって社会は崩壊しないだろう?

 「必ず壊れる」というのは人工システムの定義だと言ってもいい。だから、壊れたときのことを考えたら原発ほど危ないものはないわけで、それは煙草を吸うと危ないというのとは水準がまったく違う。

 原発は経済的な効率もよいと言うことをいまなお言ってる人に言いたいんだけど、こんな事故を一回でも起こして、その後始末のことを考えたら、経済だけ見てもむちゃくちゃ大きなマイナスだよ。エネルギー効率の収支だけじゃなくて、経済的な効率の帳尻だってまったく合っていない。合っていないどころか、その地域の人たちの住む場所を奪って、仕事を奪って、生活を奪って、大勢の「難民」を出して、それで「事故では数人しか死んでいない」とかいうのはまったくふざけた話だよ。

 うん、危険のレベルがまったく違うねえ。
 「原発事故で死人は出ていない」と発言した女性政治家がいるけど、何考えているのかなと思っちゃったわさ。