ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

「治りませんように」を読んで

2010-04-17 17:02:03 | 本や言葉の紹介

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
         (↑これをクリックするとホームページに行きます)

 今年2月に出版された「治りませんように  べてるの家のいま」(斉藤道雄 みすず書房)で、今まで何冊か読んだ「べてるの家」関係の本に書かれていたけれどよくわからなかったいくつかがようやく理解できました。
 「治りませんように」は、べてるの家とかかわり、「世間話や会食に加え、当事者研究を聞き、講演を記録し、折にふれてメンバーへのインタビューを重ねてきた。そんなくり返しの十年から、本書は生まれている。」という本です。

 「べてるの家」とはどんなところか。
 べてるの家のホームページには次のように紹介されています。

 べてるの家は、1984年に設立された北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点です。社会福祉法人浦河べてるの家、有限会社福祉ショップべてるなどの活動があり、総体として「べてる」と呼ばれています。そこで暮らす当事者達にとっては、生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体という3つの性格を有しており、100名以上の当事者が地域で暮らしています。

べてるの家の理念
・三度の飯よりミーティング
・安心してサボれる職場づくり
・自分でつけよう自分の病気
・手を動かすより口を動かせ
・偏見差別大歓迎
・幻聴から幻聴さんへ
・場の力を信じる
・弱さを絆に
・べてるに染まれば商売繁盛
・弱さの情報公開
・公私混同大歓迎
・べてるに来れば病気が出る
・利益のないところを大切に
・勝手に治すな自分の病気
・そのまんまがいいみたい
・昇る人生から降りる人生へ
・苦労を取り戻す
・それで順調


 精神障害を抱えている本人が自分のことを研究してそれを発表するという画期的な「当事者研究」が始まったのがここ。
 当事者たちは全国各地で講演活動もしています。また、毎年「べてるまつり」と呼ばれる催しが浦河で開催されており、「幻覚妄想大会」などユニークな企画が行われています。

 この本では「病気を生きる当事者の日常」にあるものとして次のように言っています。

「決して卓越しても達観してもいないが、さりとて自らの世界に閉じこもっているのでもない、日々耐えることのない苦労を抱えながら、大きくもなく小さくもなく、強くもなくて弱いのだけれど、弱いだけでもない、ひとりの当事者というイメージだろうか。
 そのような日常を、ていねいに生きること、それがおそらくべてるの家の当事者が会得した、彼らの生き方のエッセンスではないだろうか。サリヴァンのいう「平々凡々たる事態、すなわち、私たちのありふれた人間仲間との接触」を、ていねいに積み重ねてゆくこと。そのように生きる当事者が、当事者と出会うことによって当事者となり、当事者となることで病気の世界から現実の世界へとつながっていこうとする。
 しかしそこで現実の世界につながったとしても、それはハッピーエンドでもなければ希望に満ちた日々のはじまりでもない。日々くり返される自分の問題とつきあいながら、あきらめることも意気ごむこともなく、自分のメンテナンスを怠らないようにこころがけ、うまずたゆまず歩みつづけることだ。そこに感動や興奮を誘うドラマを見いだすことはむずかしくても、その平板さに耐えつづけ、日常をていねいに生きるのが現実とつながるということなのなのだろう。」

 これって精神障害を抱えていない人にも言えることですよね。
 人は多かれ少なかれ、苦しさを感じないように感覚を鈍らせたり、苦しくないと思い込むようにしたりと、何らかの方法でつらさや苦しさなどをごまかしたりなだめたりしながら現実や情況などと折り合いをつけて生きていますもんね。

 私は「こんな自分でも生きていていいのだ」と思えるようになるまで自分を育て直すのに、かなり長い年月がかかりました。でも、そう思えるようになれればOKかというとそうでもない。だって、「ではどう生きていくのか」という課題が前面に出てくるから。

 自分の問題とつきあいながら、自分のメンテナンスをしながら、自分で自分を機嫌よくしながら、情況や現実と折り合って日常をていねいに生きていくこと。
 これはどんな状況にあってもおんなじじゃないかしら。

 ありゃ、今日はちょっとまじめになっちゃいました。4月の雪という異常気象のせいよね、きっと。ということは、うーん、からだを温めるために日本酒をお燗して飲まなくちゃなあ。
 これは逃避じゃないのよ!
 寒い→不機嫌 にならないように、自分で自分を機嫌よくするアイテムの一つなんだからね、うん。

あ、またねーちゃんが変なこと言ってる。


しっかりしろ、ボクちゃんの目を見るんだ。


あーっ、やっぱり変だ!


目をそらしたくなるほどオカシイ!


いつものことなんだからほっときゃいいのに。
バカかまってると同じになっちゃうよって言ってるのにねえ。
あーあ……バカ二匹……。
賢いボクは遠くから観察。