大人はマンガをよまないと思ってた

読んだマンガの備忘録。ジャンルは色々でたまに本と映画も。脱線も。

ARMS

2007-01-21 01:23:35 | 青年漫画
ARMS (1) 少年サンデーコミックススペシャル
ARMS (1) 少年サンデーコミックススペシャル


ARMS 皆川亮二 著 小学館 全22巻


高校生の高槻亮は、幼なじみのカツミとともに、
平穏な学生生活を送っていた。
唯一他の生徒と違う所は、
「父からサバイバル技術を教えこまれている」ことだ。

ところがある日、片手にギブスをはめた転校生がやって来、
「おまえを殺す」といきなり攻撃を受ける。
意味が分からず混乱しつつも、喧嘩慣れした亮は応戦する。
しかし、転校生のギブスの下には、
おそろしい形状をした手が隠れていた。
そして亮の手にも。




未開拓ジャンル(絵に一切萌えない戦いもの)である。
私の中では、ベルセルクと同じカテゴリーだ。

未開拓なのには、いくつかの理由がある。


1,
敵と主人公がどっちも強くなっていって、すごい必殺技が出来たと思ったら
さらにめっちゃすごい必殺技が出来て・・・っていう流れでは?と思っている。

2,
絵がごっついので
キャラクターに肩入れ出来ないに違いない、と思っている。


3,
わるいやつ対いいやつで、最後はいいやつ勝利に決まっている、と思っている。
 


なので、「これ絶対おもしろいから」と言われて借りたものの、
まるで乗り気ではなかった。


「手が武器か、お、変形するのか。
奇生獣みたいなビジュアルやなー。
どっちが先に考えたのかなー」

などと思いつつ飛ばし読みしていた。
ところが、途中から突然おもしろくなる。


ARMS=手

ではなく

ARMS=武器である、

と分かってからだ。


変形するの、手だけじゃないんだよねえ。。。
すっごいな。
かっこええな。


武器のネーミングもええな。
ブリューナクの槍 とか。
是非私も装備したい。



そして、
ふーーん、と読み飛ばしていた所にも、
数々の伏線が張ってあったことが分かると、
あとはもう結構なスピードで読みきった。



話の筋は意外に込み入って緻密であり、
最初から最後まで一貫したテーマもある。
血だらけの戦いと高度な科学技術の世界の中に、
不思議の国のアリスの世界の要素まで入るとは。
いやいや、おもしろいねえ。


勿論当初の予測通り、
敵もこっちも強くなる。
一人だったやつが5人ぐらいに増えて出てくる。
サイズが全体的にでかくなる。
過去の技が効かなくなる。
みんな強くなりすぎて地球壊滅しそうになる。
戦闘シーンはすごいけど、
まあ、「べた」 である。


でも、このマンガの本当の売りは、
技や力を駆使する戦闘シーンの迫力ではない。
派手な戦闘は
このマンガのテーマを
よりはっきりと伝えるために重要なことなのだ。



「何よりも強いものは人の意志である。」
と全巻を通して言い続けたこの作品は、


読み終えると
爽快であり、


素直に感動する。