北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第87回 通州・半截胡同(その一) 狭い路地にもヘチマと門墩

2016-04-07 10:20:22 | 通州・胡同散歩
今回から、数回に分けて「半截胡同(banjiehutong)」を歩きます。(撮影・昨年の初夏)



この胡同は明の時代にはすでにあったようです。当時ここに集住した人たちは
どのように生計を立てていたのか。やはり、当時は栄えていた漕運関係の仕事
に従事してしていたということなのでしょうか。

前回までご紹介してきた紫竹庵胡同と熊家胡同との間にあり、全長109,3メートル、
ほかの胡同の半分ほどの長さということで「半截胡同」という名前になったようです。
時期は分らないのですが、「東半截胡同」と呼ばれていた時もあったとか。
(『北京胡同志』を参照)


当日は、中街(胡同)にある胡同口から入り、東方向に歩きました。



ちなみにこの入口の左角には、文房具屋さんがあります。



このお店は小学校が授業中の時は閉まっています。
昼休みに生徒たちが昼食のためにいったん帰宅する時や下校時に開店しているというわけです。
利用客は多いようで、けっこう品物がそろっているお店です。
小学校の近くには、必ずといってよいほど文房具屋さんてありますよね。
たんに学習用具を売っている所というよりか、なんか夢がありました。

トンボや三菱のごくふつうの鉛筆、消しゴムが頭についている事務用鉛筆。
決してよく消えるわけではないのですが、なにか良い匂いのする、色つきで半透明な消しゴム、
白い紙に大きな升目や罫線のひかれた、ごくありふれたノート。画用紙や折り紙。
使い始めは透明で艶のある三角定規や分度器。そして、今思えばとってもチープなコンパス。
お店に置かれた一つ一つの品物がみんな輝いていました。小学校の近くの文房具屋さんは
宝物でいっぱいです。

入口の右側。
この日は陽射しが強く、樹木に繁る多くの葉や道に張られた日除けが心地よい陰を
つくっていました。







こういう狭い路地にも植え込みがありました。
ヘチマ(糸瓜)です。



花期は7月から9月くらいまでのようですが、歩いたのは6月中旬。
北京のヘチマの花は咲くのが少し早いようです。


少し前に行ってみます。




右にちょっとした物置がありますが、煉炭が貯蔵されているのかもしれません。







再びヘチマの植え込みがありました。





胡同には、植物がよく似合うんですよ。
そんな胡同を歩くようになってから植物によりいっそう興味や親しみを持つようになりました。
でも、それだけではありません。住んでいる方たちの気持ちのあり方の一端をも垣間見るような
気持ちになり、住人の方たちにも親しみを持つようになってしまいますね。
こういうちょっとしたことで、現在住んでいる通州という場所が、広く言えば北京という場所が
北京生まれ、北京育ちではない私にぐっと近くなったような気がするのです。親しみ度を上昇させて
くれたのは、なんといっても胡同歩きのお蔭です。そして、参加している「胡同会」や個人的な
胡同歩きや胡同調べにさらに拍車がかかってしまいます。異国に親しみを覚えるということは、
こういう些細なことの積み重ねの結果なのでしょうね。「胡同歩き」の小さな積み重ねが親しみを
持つに至る大きなキッカケになってくれました。

ヘチマを育てているのは、次の玄関の家の住人でいらっしゃるわけですが、ドアの模様が、
やはり植物模様なんですよ。おもしろいですねぇ。







なんと、こういう路地にも門墩(mendun)がありました。
でも、置き方がちょっと変。いやいや、こういう利用方法もありですよ。
廃棄してしまうのではなく、たとえ置き方が多少変でもこうやって使っていらっしゃるということ、
それはこの家の住人の方の門墩に対する親しみや愛情のあらわれだと思えるのです。





抱鼓型。なにやら彫り飾りなどもあるのですが、ずいぶん磨滅しています。



玄関前に置かれた様子が分らないといけないと思い、他の日に撮った写真を次にアップ。



門墩の置き方にはじめ驚いたり、目がグルグル(@@;)してしまったりしたのですが、
よい目の保養をさせてもらいました。



にほんブログ村
  


コメントを投稿