アメリカ・「シェール革命の影」。水が飲めない

2015-02-18 10:41:54 | 日記

 アメリカ・「シェール革命の影」。水が飲めない

 

  昨日のブログには、「掘っても、掘っても儲かるシェールガス。そして安価なガス発電に押される原発」ということを書いた。そして、今もって「発電コストをめぐる論議が行われている日本の後進性」ということにも触れた。

  コストは何をもって計算されるのか。つまり「原価計算」である。自動車の原価を例えて見る。鉄板をはじめとしたあらゆる資材、部品の仕入れ費がある。生産手段の設備費、光熱費、そして人件費などが計上される。そこでよく報じられるものにリコール車何万台と対策費用何億。これによって○○社は今期○○億円の赤字を計上したというのがある。本来リスクを想定する限り原価に計上されなければならない。しかし原価を抑え、そして低減し「売値をいかに安くし、販売台数を増やし、利益を計上する」かがあるために、リスク費を計上しない。あるいは既存の保険で賄おうとする計算が働く。

  この原価論理を原発の発電コストにも当てはめてきた。しかし、今回の福島第一原発の事故は、その原価の計上を根底から覆したことになる。現に「最終処分策」も決められない。仮に地下深く埋めたとしても、再度取り出すこともありと言う有識者会議の討論も飛び出している。原発の発電コストは、計り知れない、先を見通すことのできないものであり、コスト計算をする事さえ不可能というものであることを示したと言えよう。

  そこにアメリカにおける「シェール革命」が始まった。だがこのシェール革命も、自然界の、そしてそれを破壊する人間の「業」が、消すことを困難とする「火」を生み出していることを、同じ番組のドキュメントが「米国・シェールガス開発の ”影”」というテーマで報じている。

  このガスは地下深くの硬い岩盤にあり、全米にガス層が点在している。このシェールガス開発の裏である問題が持ち上がった。それが水の異変である。

  酪農地帯が続くペンシルベニア州・ディモックは全米最大のシェールガス層があり、この地域で暮らすスーザンさんの家の井戸水に異変が起きた。「ヒ素やストロンチウムなど聞いた事も無い成分が入っていると聞いた。井戸水は飲めないから3年前から配給の水をもらっている」と。また、別の家の水道では「蛇口をひねり、出た水に火を近づけると水が燃えだした」という。
  シェールガスの発掘は、地下深く掘った井戸に特殊な化学薬品を含んだ水を高圧で注入し、地層に人工的な割れ目を作りそこから天然ガスを取り出す技術が用いられている。
  掘削現場近くの地下水にガスが漏れ出し、水道水として使っている井戸水に混入したとみられている。

  オバマ大統領の言葉がある。「足元にはアメリカを100年支えられる天然ガスがある。アメリカは天然ガスのサウズアラビアなんだ」と。しかし、これをうのみにして良いのだろうか。自然を破壊続けることへの「しっぺ返し」を常に考えなければならないということが、この「シェール革命」は証明していると思う。

  そのことを考えながらドラマを見終えた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿