その夜の「赤坂自民党亭」の楽しい宴について

2018-07-12 14:38:01 | 日記

  その夜の「赤坂自民党亭」の楽しい宴について

 私が高松市を訪れた時である。友人が「はしご讃岐うどん」の食べ歩きの途中で、空海伝説でも知られる日本最大の灌漑用の「満濃池」(周囲約20km、貯水量1,540万トン)に案内してくれた。その大きさには目を見張るものがあった。別名「満濃太郎」とも呼ばれ、昔からこの地方は「水飢饉」に悩まされたとの説明があった。そして私の記憶の限りでは近年になっても水不足に悩まされる地域となっている。現にペットボトルをその友人に送ったことがあった。幸いにして、友人の地域は災難からは逃れたとの報告を受けたが、四国全体も大変な「水災害」を受けたことになる。

   そして今般の災害も「想定外」のものであり数十年に一度の災害であると論じられている。だが、この「想定外という表現」も今に始まったことではない、7年前の東日本3県を襲った「地震・津波・そして福島原発の破壊」というトリプル災害においても「100年に一度の災害、想定外のものであった」と称された。

   さて考えてみよう。地球規模を取り上げるまでもなく、日本における自然災害の記録をたどってみる。およそ今から1149年前の平安時代869年の貞観地震がある。この災害がどのようなものであったかが『日本三代実録』という古代書にその当時の様子が記されている。『人々は叫び、倒れた人は起き上がることができない。家が崩れ圧死したもの、地滑りや地割れで生き埋めになったもの。その被害の多さは数えることができないほどだ』と記されている。以来、多くの災害がこの小さな日本国土を襲い多くの人命と財産を奪っている。

 さて「平成30年7月災害」と命名された今般の「豪雨災害」である。予想を超える、しかもかつての知識、経験が生かされない災害であったことは承知のところであるが、その洪水、土砂災害が「想定しなかったもの」として片づけられることがあってはならないことをまず強調したい。同時に、親・兄弟・そして子どもの命を奪われた者にとっては,解釈しようがない、そして言いようもない怒りと不信を抱かせたものに、安倍首相を中心とする「和やか、楽しい会合」と称される「赤坂自民党亭」の宴席がある。このことは中央紙、地方紙を問わず全国のマスコミによって報じられているものである。

 その夜はすでに「避難勧告」が出されていた。その宴席にいた与党の一部の幹部はあとになって「これほどまでの被害が生じるとは思ってもみなかった」と述べている。しかし、国民のとりわけ被災をした地域の皆さんにとっては、森友、加計、そしてセクハラ、買収と連続して発生する政府与党と高級官僚のおごりと緩み、そして国民を軽視する政治姿勢と結びつく醜態と写ることは否定できないと思うが、どうだろう。

 そしてもう一つの事例も取り上げざるを得ない。その宴席の集合写真の中央に安倍首相と並ぶ上川法務大臣の姿があった。上川大臣は親指を「グー」とかざし笑みを浮かべている。  

 国民を震撼させたのが「オーム殺人事件」である。当然にして重刑は免れない。そして刑を決した13名の死刑囚がいる。そのうち7名の処刑を今回実施した。一度に7名と言うのは過去にはないと報じられている。もちろん「法」にもとづく決済である。しかし、世界的視点においては「死刑」という「法の決済のあり方」について疑問が提起されている。もちろん決断をするのは法務大臣である。それにはかなり重い決断が伴うと思うが、その決断のサインをしただろその指でグラスをつかみ、グーの親指をかざすその姿にはいぶかりを持った者は少なくなかったと思う。

 これからも熱帯夜が続くがそれだけではない。しばらくは重い気持ちで「浅い眠りが続くだろう」私もその一人である。