教えて。この謎解きをしてくれませんか「求人は増加、消費は減少」・・・・

2016-06-15 10:25:37 | 日記

    教えて。この謎解きをしてくれませんか「求人は増加、消費は減少」・・・・

   

    『求人倍率・4月 1.4倍・2ヶ月連続で改善』という見出しがあった。そして、その下段に『消費支出0.4%減・4月』という見出しの記事を見る。(毎日新聞6月1日)

    一つは、厚生労働省が31日に発表した4月の有効求人倍率である。それは前月比0.04%上昇で2ヶ月連続で改善をしたという記事の内容である。今日も多分安倍首相は、日本のどこかの街頭で「身振り手振りよろしく『全国津々浦々で有効求人倍率が1%を上回っていのです。このようなことは今までには無かったことです。アベノミクスはさらにエンジンをふかし、皆さんの生活改善を″全力‶で推進します』と。念のため付け加えれば、沖縄県が唯一0.94倍という実態にあることを何故か口にしたことはない。

  そして、片や総務省の発表では1世帯(二人以上)当たりの消費支出は29万8520円であり、物価変動の影響を除いても前年4月比で0.4%減少したと報じている。「これって何」というのが私も疑問である。

  政府もそうだが、この種の発表はいつも「平均」とか「中央値」とかという表現を用いられる。それでは、実態はどうなっているのだろうか。ここに平成27年9月の「税務局」が公表をした「平成26年度民間給与実態調査」の数字がある。それは「源泉徴収義務者」に限るものであり、この網から外れた低所得者が多数いることを忘れてはならなない。そして、年間の平均給与は415万円であり前年に比べて0.3%増加したとある。これを男女別にみると、男性514万円、女性272万円で前年に比べて、男性は0.6%の増加、女性は0.3%の増加となった。また正規・非正規の別については、正規478万円、非正規170万円で前年に比べ正規は1.0%の増加、非正規は1.1%の増加となったと報じている。

  安倍首相が「今年度は、非正規の労働者も正規並か、またはそれ以上のアップがありました。これも今までは無かったことです」と主張している根拠を、この1.1%アップを述べているとするなら、その非正規の給与170万円の見方、受け止め方に対する認識の違いを感じざるを得ない。まさに「政治家・安倍氏は庶民の生活は知らない首相」と言わざるを得ないだろう。

  そして合えて付け加えれば、前記の報告でも「平均」という表現を使われている。これは使う者にとっては都合の良いものになる。では日産社長のゴーンさんの年間給料は幾らか、答えは9億円と言われている。そしてユーシンの田邊耕二会長兼社長(8億3400万円がそれに続く。そして3位にはユニバーサルエンターテインメントの岡田和生会長(8億1000万円)である。(東洋経済社)

  年収1000万円以上は果たして何人いるのだろうか。インターネットは便利である。検索するとすぐに答えは出てくる。年収1000万円以上は700~800万人くらいとの回答が出てきた。その中での平均である。それからすると非正規170万円はやや正確であり、正規の478万円は「眉唾」ということになる。

  そこで本題に戻りたい。企業は就労者を求めている、そして就労者も増えている。しかし増えているのは非正規、あるいは正規でも年収300万円を若干超えるというのが実態であると答えても間違っていないだろう。とても「財布の紐」を緩めるどころか、ギリギリの生活を余儀なくしているというの国民の家計である。

  「求人は増えても、消費支出は減少している」。これが国民の実態であると見るべきである。ここにも「ゴマカシミクス」の一例があると訴えたいが、どうだろうか。