業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

はじめての区分変更

2006年08月14日 | 業務日誌
結論からお話しましょう。

本日私、要介護1の人を区分変更申請で要介護4にしてしまいました。

私の担当する恵比寿顔のエルビス(仮名75歳男性夫婦二人暮らし)は、正常圧水頭症で歩行も不安定、認知症で尿失禁があり、そもそも要介護1であるほうが不思議なくらいでした。今年の9月を過ぎれば、現在借りている介護用ベッドを返却しなくてはならないのですが、それはとっても困ります。
もしもエルビスを布団に寝かせてしまうとたぶん立ち上がれなくて転がっていくでしょう。大量の失禁があるのできっと畳まで汚してしまう。尿まみれで長い時間起き上がることも出来ないだろうし、古いおうちなので畳が腐るだろうなあ。でも、家族には突然ベッドを買う余裕はありません。
なので、先月エルビスがシャント術前の検査のために入院した際、思い切って入院中に区分変更をし、認定調査を実施しました。
その結果、要介護1からイッキに要介護4に3段階特進してしまったのです。

ベッドは返さずに済むことになったものの、これまで通っていたデイケアはこれまでの1回700弱から1000単位を超えてしまい、介護負担軽減のためにそろそろ勧めて行こうと思っていたショートステイも…
家族の負担を軽くしようと思ってやったのに…
しかもエルビスの通っているデイケアは、ひがし併設のデイケアなので、家族に「我田引水」だと思われはしないかと大変心配です。

私が参加しているML(メーリングリスト。しかし最近不活発)で、認定審査員をなさっている某市のドクターがおっしゃっておられました。

最近不審な区分申請が多い。
(中略)
審査会では区分申請はよほどの事情があるものと考え認定が上がるのが一般的だが、4月に保険制度が変わってから不審な区分申請が多い。
余分な費用がかかるし、本当に区分申請が必要な方まで色メガネで見られることになるので慎重になって頂きたい。

…ひとことも返せません。
エルビスは、せいぜい要介護2が妥当です。
私が調子に乗って、病棟スタッフの看護師さんから聞きとったことなどを※強調しすぎたせいでこんなに重い判定がおりてしまったに違いない。

※入院中エルビスはほとんど自力で立てず、時間をかけてやっとベッドから起き上がって転倒しては危険だということで、立ち上がりセンサーが設置されていたのでした。そういうことを、特記事項の用紙が足りなくなるほどびっしり書いたのです。

明後日エルビスの娘氏と会って今後のことを話すのですが、一体どんな顔をして会えばいいのやら。
それに、どうしても入院中に調査をしようと思い、サービス担当者会議もスッ飛ばして区変してしまったので、今月末までになんとか開催しなくてはなりません(そのほうが効果的と判断される場合は減算を免れるそうなので必死)。
以前認定調査だけをやっていた頃は、介護度を上げて(重くして)悩んだことなんてありませんでした。
というか、何も考えてなかったんですねきっと。
ケアマネの仕事に何が大切かということを、もっとよく考えなくてはならなかったのに、やっちまいました。

今日は1日反省の日々でした。
ふと見ると私のデスクの向かいの席で、アジアの酒豪アイリン女史が、先週飲んで飲んで飲まれて飲んでみんなをさんざんな目に遭わせたことを反省しまくって小さくなっていましたが、私はそれ以上にどんよりしていました。

うっうっうっうっ、エルビスごめんなさい。

ダメなケアマネだ…