語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】除菌成分で生殖異常・精子減少リスク ~消臭・除菌スプレー~

2016年01月31日 | 医療・保健・福祉・介護
  ①P&G「ファブリーズ」
  ②花王「リセッシュ」
  ③ライオン「HYGIA(ハイジア)」

 (1)①のコマーシャルでは、布団、洋服、カーペット、こたつなど、あらゆるものに吹きかけることを勧めている。
 しかし、布団やカーペットにしみ込んだ成分を吸い込んだり、子どもが舐めたりする危険性はないか?
 有害影響を示唆する研究が、2015年11月に米国で発表された。

 (2)問題の除菌成分は、「第四級アンモニウム塩」だ(①にも使用されている)。
 パトリシア・ハント博士・ワシントン州立大学らの研究で、
  (a)メスのマウスの餌に除菌成分「第四級アンモニウム塩」を混ぜて食べさせた実験で、マウスの出生率が通常の60%から10%へと激減し、生まれた胎仔の死亡率も半分くらいになる生殖異常が確認された。
  (b)オスのマウスの実験では、飼育かごの清掃に除菌成分を使うことで、精子の濃度と運動率(全体の精子の中の運動している精子の割合)が低下するという結果が出た。オスのマウスの曝露は、まさに人間での消臭・除菌スプレーによる曝露に近いとされる。

 (3)日本でも実は2006年に、東京都健康安全研究センターが実験していた。商品名は明示されていないが、「ファブリーズ」の原液を新生仔のマウスに飲ませた実験で、メスのマウスの死亡率が上がるなどの影響が出た。
 その商品に使用されている除菌成分は、2種類の第四級アンモニウム塩の混合液だ。そのうちの一つ(塩化ベンザルコニウム)は、米国の実験と同じもの。
 また、厚生労働省と環境省による有害性評価でも、生殖毒性の疑いあり(区分2)と分類されている。

 (4)動物実験で有害影響が出た量と、製品使用による曝露量を比較するためP&Gに「ファブリーズ」の除菌成分の含有量を尋ねたが、非公開とのこと。
 しかし、米国で販売されている「ファブリーズ」は0.13%という情報があり、それをもとに計算すると、商品に書いてある布団へのスプレー回数の目安(15回)で噴霧される量の0.8%以上を飲み込むと安全とはいえない量になる。
 妊娠中の母親、赤ちゃん、若い男性は、消臭剤・除菌製品の使用は要注意だ。
 「車用ファブリーズ」は、エアコン送風口から出るミストをそのまま吸い込むので特に危ない。

 (5)③は、ホームページに「ジアキルジメチルアンモニウム塩」と表示されている。同じく第四級アンモニウム塩の一種で、高用量で生殖毒性が指摘されているが、①の成分より危険性は低い。
 ②は、ホームページにも「除菌剤」としか表示していない。花王に問い合わせたところ、具体的な成分名は「非公開」のよし。情報を公開せず、一方的に信じろ、という態度である。

  ①P&G「ファブリーズ」:除菌剤(第四級アンモニウム塩)=塩化ベンザルコニウム・アルキルジメチル・ベンジンアンモニウム塩【有毒性3】/塩化ベンザルコニウムには生殖毒性の疑いあり(区分2)
  ②花王「リセッシュ」:除菌剤(第四級アンモニウム塩)=回答拒否【有毒性3】/成分名を答えないという企業としては最悪の対応
  ③ライオン「HYGIA(ハイジア)」:除菌剤(第四級アンモニウム塩)=ジアキルジメチルアンモニウム塩【有毒性2】/一部のジアキルジメチル・アンモニウム塩に高用量で生殖毒性(発癌性はデータなし)

□植田武智「「ファブリーズ」の除菌成分で生殖異常・精子減少のリスクが!」(「週刊金曜日」2016年1月22日号)
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