語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】中小企業100万社を潰す竹中平蔵 ~安倍“暴走”内閣(4)~

2016年06月30日 | ●佐藤優
 (承前)

(5)竹中平蔵が中小企業100万社を潰す
 解散選挙の前、2014年11月1、2日、「富士山会合(The Mount Fuji Dialog)」がホテル「ザ・プリンス箱根」で開催された。ここに日本の大企業の社長たちが総結集した。
 この会合については、日本経済新聞しか報じていない。日経新聞・CSIS(米国戦略国際問題研究所)主催だから、ほかのメディアは報道しなかった。記事は次のとおり。

 <日米の政府関係者、経営者、専門家が国際関係や安全保障について対話する第1回年次大会「富士山会合」(日本経済研究センター、日本国際問題研究所共催)が1日、神奈川県箱根町のホテルで始まった。環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉早期妥結によって日米が通商分野における国際標準づくりを主導すべきだとの意見が相次いだ。
 「アベノミクスとTPP」と題するパネル討論では、カート・トン米国務省経済局筆頭副次官補は「早期妥結が重要。経済的な効果に加え、地域のルールづくりにもプラスになる」と強調した。高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミストは「アジア太平洋の主要プレーヤーとして、日米が自由貿易や知財保護の高い水準を示すことができる」と述べ、TPPが2国間協力の中核と位置づけた。
 日米間では農産品などの市場開放を巡る交渉が難航している。米戦略国際問題研究所(CSIS)のマシュー・グッドマン政治経済部長は北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に「合意の可能性は高まっている」との見通しを示した。
 アベノミクスの3本目の矢である成長戦略を巡っては、モルガン・スタンレー・ホールディングスのジョナサン・キンドレッド社長が「労働市場の改革を世界中の投資家が注目している」と言及した。
 竹中平蔵・慶応大学教授は将来にわたる日米関係の発展・維持に向けて留学などを通じた「知的交流が経済や外交のすべての基礎となる」と指摘した。会合は2日まで開かれる。>【注】

 これは新しい三極委員会(トライラテラル・コミッション)だ。
 三極委員会の創始者デイヴィッド・ロックフェラーはもう99歳で、足腰が立たない。来日できない。だから、富士山会合がこれからの新しい日米関係の、最高の意思決定の財界人会議になる。ここに200人ぐらいの主要な財界人が集まり、それぞれの部会をやっている。
 北岡伸一・安保法制懇座長代理/国際大学学長(政治学者/対中国専門家)が出ている。彼は安全保障の場面で、中国と米国の間を仲介する係だ。五百籏頭真・熊本県立大学理事長(政治・歴史学者)のあとは、北岡座長代理が全部やっているようだ。その背後には、やはり笹川財団がいる。
 北岡座長代理が、日米人脈では今のところ、日本側の最高頭脳だ。だから、安倍首相の「戦後70年談話」(8月15日)は、「日本は中国、アジア諸国を侵略しました」という内容になることを、北岡座長代理と菅義偉・官房長官が根回ししている。しかし、安倍晋三が言うことをきかない。
 竹中平蔵・元経済財政政策担当大臣/元金融担当大臣/国家戦略特別区域諮問会議メンバーも、やはり富士山会合に出ている。
 竹中は、今年から、中小企業100万社ぐらいを潰すのではないか。
 竹中は、米国の命令で、「労働市場の流動化(レイバーマーケット・リクイディション)」をやった。つまり、非正規雇用を増やした。次は、「中小企業の流動化/資産再評価(リアセスメント)」、つまり倒産促進をやるつもりらしい。
 人材の流動化の次に、企業の流動化というわけだ。竹中は、人材派遣会社パソナの取締役会長だから、労働力商品から価値が生まれるという経済学の法則をよくわかっている。労働力商品から搾り取るわけだ。
 今、400万社ぐらいある中小企業のうち、100万社ほど整理するつもりらしい。竹中は供給面重視(サプライサンダー)だから、供給面(サプライサンド)である不要設備、不良会社を消し去ろうとしている。
 太閤秀吉に対する黒田官兵衛のように、残酷な、いちばん嫌なことをやる人間が、権力者たちの内部では尊敬される。竹中も、死刑執行人をやって権力者から尊敬される。誰もやりたがらない、いちばん穢い仕事をやるのだ。
 米国に国民の大切なお金(年金、郵貯・かんぽ)がどんどん流れていくことも、竹中がやらせている。西室泰三・日本郵政株式会社社長は、竹中の子分だ。
 日本人の多くはまだ、自分たちにかけられている恐ろしい攻撃に自覚がない。

 【注】【記事「日米、TPP妥結で貿易の国際標準を 富士山会合 」(日本経済新聞電子版 2014/11/1 2)】

□対談:副島隆彦×佐藤優『崩れゆく世界 生き延びる知恵』(株式会社キャップす、2015)の「第1章 安倍“暴走”内閣で窮地に立つ日本」の「官邸主導で暴走する安倍政権の危うさ」
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【佐藤優】自民党を操る米国の策謀 ~安倍“暴走”内閣(3)~
【佐藤優】自民党の全体主義的スローガン ~安倍“暴走”内閣(2)~
【佐藤優】安倍“暴走”内閣で窮地に立つ日本 ~安倍“暴走”内閣(1)~


コメント   トラックバック (1)   この記事についてブログを書く
« 【佐藤優】自民党を操る米国... | トップ | 【佐藤優】円安を喜び、ルー... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

●佐藤優」カテゴリの最新記事

トラックバック

自主独立を掲げた政治家は潰される (高橋敏男のブログ)
早速、買ってみたい・・・。 そんな思いに駆られる本が出版されていました。