語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】喫茶去 ~喫茶養生記~

2018年04月24日 | 医療・保健・福祉・介護
 古本街で知られる東京・神田神保町に、数年前まで「喫茶去(きっさこ)」という名の喫茶店があった。古い日本家屋そのままの店内にジャズが流れて、本を読むのにちょうどいい店だったが、とても古く、階段や床もぎしぎし鳴ってよく揺れた。その後、耐震の問題で閉店、移転したと聞いた。
 「喫茶去」というのはもともと禅宗の言葉で「お茶を飲んで出直しなさい」という意味だそうだ。
 お茶が広まるきっかけとなったのは、鎌倉時代の栄西禅師が、留学先の中国から茶の苗木や種を持ち帰ったことにある。栄西はお茶を研究し、「茶は養生の仙薬なり」ではじまる「喫茶養生記」を著した。
 禅宗では、座禅を組んで瞑想を行う。長い時間座ると、次第に疲れてきて睡魔に襲われ、つい体が動いて喝(かつ)を入れられてしまう。
 緑茶を飲むことで眠気が飛び、頭がすっきり爽快になる。カフェインや茶ポリフェノールであるカテキンなどの効き目が、当時の禅を深めるのに役立っていたのだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「喫茶去 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年4月17日)を引用

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