語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【NHK】支配計画 ~安倍晋三政権の計算がずれはじめた~

2014年02月05日 | 社会
 (1)従軍「慰安婦」問題などをめぐる発言で、籾井勝人・NHK会長が批判を浴びた。
 1993年の河野内閣官房長官談話とも抵触する。
 自分からオランダの「飾り窓」を持ち出した。「慰安婦」問題を売春の枠で語るなんて不見識きわまりない。一方で、平時における売春を認めた、とも受け取られかねない。会長発言が外交問題を引き起こすのは空前絶後。公共放送のトップとしてふさわしくないのは明白だ。【永田浩三・武蔵大学教授】

 (2)籾井会長の選出にあたって、安倍政権の意向が強く働いている。
 昨年10月25日、経営委員会(定数12人)委員の国会同意人事案を提示したとき、5人のうち新任の4人が安部総理の「お友だち」だった。
 会長選出に、経営委員9人の同意が必要だ。つまり、政権に忠実な経営委員が4人いれば、政権の路線を了とする人しか選ばれない。
 松本正之・前会長は、まだ1期目で、大きな失政もなかったので続投を希望していたようだが、安部総理から4人送り込まれてきたことで諦めた。官邸周辺には、原発やオスプレイ配備に対するNHKの報道を「サヨク偏向」だとする不満が根強いらしい。

 (3)籾井は、会長に就任する前、「週刊文春」にこう答えている。
 <テレビの報道は皆おかしいですよ。例えば「反対!」っていう人たちばかり映して、「住民が反対している」と。じゃあ何人デモに来ていたか、というのを言わない。僕は言うべきだと思っている。賛成と反対があるならイーブンにやりなさい。安部さんが言っているのはそういうことですよ>(2013年12月26日号)
 <政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない>発言などを踏まえると、籾井会長は「みなさまのNHK」のためにではなく、「あべさまのNHK」のために送り込まれた、というしかない。

 (4)籾井会長が、あっけからんと政府追随を打ち出したことで、安部政権のNHK支配にほころびが生じた。
 ただ、籾井会長が恥も外聞もなく居座る可能性も否定できない。

□伊田宏之(編集部)「計算がずれはじめた安倍晋三政権のNHK支配計画」(「週刊金曜日」2014年1月31日号)
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 【参考】
【NHK】権力と癒着し続けた歴史 ~NHK会長~

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