Takekida's log

千里の道も一歩から

超遺伝子の秘密

2023-12-16 21:49:03 | Books
 

超遺伝子(スーパージーン) (光文社新書 1257)  藤原 晴彦 (著)

 生物の擬態など複雑な形態の種としての保存がどのように行われているのか?その陰に超遺伝子というものが関わっていて、筆者もシロオビアゲハ の擬態についての研究を進めシーパージーンが関わっていることを明らかにしました。 超遺伝子が関わっているものとして前述の蝶だけでなくヒアリの巣の作り方、エリマキシギの雄の形態、シクリッドの擬態などが挙げられていますが生き物の性というのもある意味絶対的に伝わるものなのでマクロに言えばこういったもののひとつということが出来るようです。
ただ一般的には一つの性の中で特別な種の発現のあるケースが取り上げられていてナガサキアゲハであればメスに擬態種/非擬態種がいたりエリマキシギであればオスに形態と性格が異なる3種のオスがいたりします。
具体的には
(1)同じ種に複数の形式のタイプがある(チョウであれば擬態する種としない種)場合に染色体の中に特定の位置に複数の遺伝子がスーパージーンとして存在
(2)スーパージーン領域ではDNA配列が大きく異なり性質の発現に効いている
(3)相同染色体の間に逆位が生じることで組み換えが抑制されている
といったところがポイント。
 遺伝子は常にシャッフルされてその中で一部の性質が進化していくわけですがその性質で守るものと守らないものの伝わり方の仕組みがある程度わかってきたと言うことになります。どういったものがスーパージーンとして後世に引き継がれるのかはそういった遺伝子発現をした種が生存に有利だったわけですがそれでもなお同じ種の中で違った形態が残っているというのはそれぞれに有利な環境があったということなわけですが面白い現象だと思います。ここら辺は適者生存の原理とはまた異なる、生殖適者生存の原理 というものと言えそうですが。 人間に関しては明確にこういったものが性別以外にはないのかもですが今後そういった発言が長い時間軸ではあるのかもしれません。
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