Takekida's log

千里の道も一歩から

なぜ生物は眠るのか?

2022-08-11 22:49:27 | Books
 時間の分子生物学 時計と睡眠の遺伝子 (講談社学術文庫) 粂 和彦  (著)
初版は20年前にさかのぼる名著ですが文庫版として出てきたのでRefinesaさた内容含め読んでみました。
 本書の前半では「生物時計」(体内時計)と「概日周期」(24時間の生物リズム)が主題。生物的意義や「時計」のシステムを遺伝子レベルまで掘り下げて明らかにされてます。それにしても人間であろうとハエであろうとこのメカニズムが同一だったというのは知りませんでした。そのリズム自体も正確に24時間とのことで以前まで自分が25時間であると聞いていた常識とは異なっており1999年の研究で証明されたそうです。この体内時計はある程度性格で意志の力で早く起きようといった場合に体が準備し始める芸当があることも示されてます。そしてさらに驚きだったのがこの発振機能を体中の細胞が持ち合わせているということです。体内の時計は例えば臓器などでも取り出した後、その発信が継続する音が確認されますが基本的には脳の時計がセンターにありそこに同期するシステムがあるようです。この機構はタンパク質のネガティブフィードバックの気候で作られて多りそのリズムがちょうど24時間なのです。
 後半には、未だに謎が多いとされる人間を含めた生物の睡眠について解説されてます。実験がショウジョウバエを使って行われており、赤外線を用いた探査装置で睡眠時間のマスを取ることに成功したこと。ハエやマウスの試行錯誤の分析・考察から、睡眠を遺伝子レベルで解析しつつ、人間のナルコレプシー(眠り病)への遺伝子レベルの治療応用の研究まで踏み込んだ話が出てきます。ハエにも不眠症がいて正常なハエとの差分の研究が役に立った旨が出てきますが睡眠時間が短いと寿命も短くなるそうでここら辺が人間とも関連してくるのかが気になるところです。
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