(ユキノシタ)
毎年私の山菜師匠Y氏と、6月のこの時期に、山の幸を求め某尾根伝いに山歩きします。
今年は6月19日(日)、曇天の一日でしたが、それでも夏至間近(今年は22日)の太陽光線は、屋外を歩いていると、雲を突き抜け日焼けするほどに強くなっていました。
この尾根の登りは、まず民家の横から歩き始めます。
麓から上に幾つか点在する民家へと続く小道を歩きながら、道端に生えているミツバを採集しました。
民家のある所を過ぎ、杉林を抜けると雑木林となり、その雑木林にまじって、今回私の目的の一つであるモミジイチゴ(木いちご)の木が散在しています。
(いつも元気な師匠Y氏)
モミジイチゴは、とてもデリケートで、最盛期の一週間を過ぎれば、すぐに枝から離れ地面に落ちてしまいます。
今回は、モミジイチゴの本来の採集時期からすれば、少し遅かったのですが、山のほとんどの植物は、今年に限って言えば一週間ほど生育が遅れているようで、結果的にはジャストタイミングで木いちごを採ることができました。
昨年は、同時期に出かけましたが、黄色いモミジイチゴはほとんど枝に付いて無く、赤いニガイチゴの実がほとんどでした。
しかし、今年はモミジイチゴの最盛期で、ニガイチゴはまだ固い青い実の状態でした。
(モミジイチゴ)
収穫したモミジイチゴをタッパーに入れ、次はワラビ採りに目指す中腹まで登りました。
今年は、若干例年より少なめの量でしたが、ワラビをゲット!
また、今年は山椒の実が当たり年のようで、点在する山椒の木の枝に青山椒がしっかりと実っていました。
山椒の木に花が咲く頃に強い風など吹かず、受粉も上手くいき、その後の生育環境が整えば、今年のように豊年となるのでしょうか。
それとも、豊作の年と凶作の年が、山椒の木単位で、周期性があるのでしょうか。
いずれにしろ、帰宅後に青山椒から小枝を取ってその重さを量ると、236gほどありました。
(ウツギ)
山の豊かさは、食に限ったことではなく、目を楽しませるさまざまな植物が咲いていることからも、実感することができます。
麓から稜線まで、ウツギの仲間とアジサイの仲間が、ある場所では満開の美しさを見せ、また違った場所では散った花びらの絨毯で、私たちを楽しませてくれました。
ウツギ・タニウツギ・コゴメウツギ・ガクウツギ、ガクアジサイ・コアジサイ、またエゴノキ・・・・・・。
(エゴノキ)
ユキノシタ科の植物には、アジサイ属やウツギ属が含まれ、多くは今の時期に花を付けています。
かつては山登りをスポーツの範疇としか認識していませんでしたが、年輪を積み上げていくと、軽蔑に近い眼差しでその前を通り過ぎた山野草を愛でる人たちに、自分が一歩近づいていることが分かります。
多種多様な植物の中で、ほんの一握りの植物名を覚えるだけでも、自然をちょっと違った視点で見ることができるようになります。
これから、低山の山登りでは、気温の上昇とともに、敬遠したいほどの厳しい蒸し暑さとなります。
それでも山好きは、
そんな暑さにめげずに登るほど、
山には人それぞれの魅力があります。
次回のブログでは、今回の山登りで採って来た山の幸を料理します。
(コアジサイ)