「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの単位の教え方…第一ステップ 単位の構造を理解させる

2008年03月12日 | 学習指導法


多くの方が、小学生に対する単位の教え方について関心があり、私のブログでも、それに関する閲覧が多いようです。


そこで、私の指導経験をふまえ、小学生に対して、これから5回にわたって、どのように単位を教えたらよいのか、伝授したいと思います。


確かに、小学生にとって、特に受験生にとっては、「計算」と「単位の変換」は、基本中の基本であり、このフィルターを通して、答えが出てきます。

従って、この2つの力が不足していると、いくら特殊算の解法や求積公式を覚えても、得点力は付きません。


単位を指導する方法について、様々な議論がされていて、幾つかのブログでも取り上げられています。

私の単位学習に関する結論は、「単位は覚えるものであるが、丸暗記するものではない。」と言うことです。


では、もう少し具体的に説明します。

単位の学習では、それぞれの単位の基本的構造を覚え、単位を変換する方法(計算方法)をマスターすることが重要です。


まず念頭に置くことは、現在使用されている単位の基本はメートル法であると言うことです。

この単位は、西洋で作られたので、3桁で単位が変換します。


数字では、日本を含む東洋において4桁で大きな位が変わり、万の位・億の位・兆の位となります。

しかし、西洋では3桁でカンマを打ち、thousand, million, billionと千倍ずつで数える習慣がありました。


そうした西洋の考えから、現在のメートル法などの単位についても3桁で大きな単位が変わります。



 次の文は、ある公立小学校で単位を教えるために、私が作成したプリントです。まずこの文章を参考にして、★《単位を教える第一ステップ》として、★《単位の構造》を理解させる方法を説明します。


「何だ、これは!!」

 ヤン太は、テーブルの上に置かれている,ウイスキーのボトルのラベルに書かれている文字を見ながら,つぶやきました。

 それは、お酒が好きな父が、山に持って行くために買った小さなウイスキーのビンです。そのラベルに、「20cℓ」と表示されていたのでした。

「mℓの間違いじゃないのかな。こんな単位見たことないぞ。」

 翌日ヤン太は、そのことをドン太に話しました。

「おまえ、cmの見まちがいじゃないのか。」

「変なことを言うなよ。cmは長さの単位じゃないか。cℓは、かさの単位のはずだよ。でもお母さんは、こんな単位見たことがないって言ってたよ。アメリカだけが使っている特別な単位じゃないかと思うんだ。」


さて、みなさんはこの単位を知っていますか?

長さの単位に、cmがありますが、この単位がヒントになりそうな気がします。


 ドン太とヤン太とそれにビージェーを加えた3人で、今まで習った長さの単位、かさの単位、重さの単位を復習する事にしました。

3人は、まず長さの単位についてまとめました。

「長さの基本は、1m(メートル)だよね。そして、その1000倍が、1km(キロメートル)だな。確か先生は、k(キロ)が単位の前に付くと、1000倍の意味があるって言ってたよ。」
ドン太が言いました。

「それから、1mの1000分の1は、1mm(ミリメートル)となるな。やはり、メートルの前のm(ミリ)は、ミリに続く単位を1000分の1にするんだって。」


「すると、長さの単位は、
1mm(ミリメートル)→1000倍→1m(メートル)→1000倍→1km(キロメートル)となるわけだね。」

ビージェーは、長さの単位の関係を、ノートに書いてみました。

「もう一つ、補助的な単位で、cm(センチメートル)があるよね。100cmが1mだから、このメートルの前のc(センチ)は、もしかしたら、センチが付いている次の単位を、100分の1にするんじゃないかな。」
ビージェーは、ノートを見ながら言いました。


次に、3人は、重さの単位についても、同じようにまとめました。

「重さの単位の基本は、するとg(グラム)だね。その1000倍がkg(キログラム)だ。そして、グラムの1000分の1が、mg(ミリグラム)となるわけだ。」

「1mg→1000倍→1g→1000倍→1kg」と、ビージェーはノートに書きました。

「もう一つ重さの単位で、t(トン)があるよね。1トンは、ブタ1匹の重さだ。~なんちゃって。」

ヤン太は、笑いながら言いました。

「バカなこと言ってないで。1t(トン)は、1kgの1000倍だよ。」

1mg→1000倍→1g→1000倍→1kg→1000倍→1tと、ビージェーはノートに付け加えました。


「こうして見てみると、単位はかなり規則的にできているなあ。ところで、かさの単位は、小学校の3年生で、早々に習ったよね。今度は、かさの単位についてまとめようよ。」

「1mℓ→1000倍→1ℓ→1000倍→1kℓ」となるね。

「補助の単位1dℓは、1ℓの10分の1だから、このデシという記号は、次の単位を10分の1にする記号というわけだね。」

そのノートにまとめた表を見ながら、ヤン太はにやりと笑いながら
「おれ、《20cℓ》の意味がわかったぞ。」
とつぶやきました。


 さて、この表を見ながら君たちも、気がついたことを書いてみよう。そしてなぞの単位「20cℓ」が、どんな量を表していたのかを考えてみよう。

(マッキーが作成した、学校指導教材より)



この《単位を教える第一ステップ》の《単位の構造》を理解することは重要です。

しかし、これだけでは子供達は単位変換をすることはなかなかできません。


では、次にどのような指導をしたら、単位の変換を上手にすることができるのでしょうか。

いつものように、私のブログが長くなってきたようですので、《単位を教える第二ステップ》は、次回伝授します。



小学生の単位についての指導法は、以下のブログも参考にしてください。


第一ステップ 単位の構造を理解させる(2)

第一ステップ 単位の構造を理解させる(3)

第二ステップ 単位変換で注意するポイント・最終回





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2 コメント

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今日初めてたどり着きました (FRK)
2009-04-28 09:21:02
はじめまして、埼玉県の小3,5のちょっと年配母です。
昨日埼玉は全県で5年生の学習状況調査・検証テストが行われました。
土日は野球、平日は外遊び、一昨日はピアノの発表会という(諦めのつく?)具合でした。
(やる気になれば出来るのに… という親の期待のもと)
昨日は心穏かに送り出しましたが、今朝は算数の宿題を見ていたら、
(k)(m)(c)(d)殆ど分かっているのに、慌ててやって
間違えた所を指摘して説明すると、もう大抵抗!
こちらも百歩譲って丁寧に教えたつもりですが
あえなく時間切れ、そんな朝、こちらにヒットしました。

気分を入れ替えて、愛情たっぷり(?)の比較表を
作ってみますね。
これから、ちょくちょくお邪魔させてください。 


日常の生活の中で学ぶ (マッキー)
2009-04-28 13:54:29
コメントありがとうございます。

子どもにとって単位は、身近ではあるけれども、苦手な分野です。

単位の関係を理解して、日頃生活の中で単位変換を行うと、興味もわき、知識の定着率も高まると思います。

すべての学習に言えることですが、いかに実生活と関連づけて、知識を習得していくか、ここに教師も保護者も、一工夫が必要です。

子どもを育てる大変さ、そうしたことを国も社会も理解して、協力して子供たちを健やかに育てたいですね!

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