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櫻井よしこさん、週刊新潮への寄稿

2009年10月25日 | 民主党政権
週刊新潮(10月22日号)に掲載された
櫻井よしこさんの寄稿から、一部を抜粋します。


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「 鳩山外交の陥穽、東アジア共同体 」
櫻井よしこ


・共同体構想は元々、中国が米国のアジアにおける存在を薄め、あわよくばアジアから排除することを狙って、日中韓+ASEAN諸国で構成するものとして提唱した。
中国は、米国さえ後ろについていなければ、日本を中国の支配下に屈服させることは容易だと考えた。日本をも含む共同体を創り、中国主導体制を確立すれば、中国はアジアの盟主となり得る。

・マハティール氏は80年代には、第二次大戦時代の日本を批判した。だが、95年に村山談話が出され、日本が尚も謝罪を続けようとすると、「まだ謝罪を続けるのか。日本は未来を見詰めるべきだ」と述べ、日本の自虐思想を戒めた。歴史を反省するあまり、自国の防衛も十分に出来ない自縛状態から抜け出すべきだというのだ。一方、リー首相の父で、元首相のリー・クアンユー氏も、かつて、日本の軍国主義を厳しく批判した。しかし、いまや氏は、日本の憲法改正も軍事力の充実も当然であると語る。

・東南アジア諸国はいずれも中国の脅威を実感させられている。摩擦を避け、友好関係を維持しながらも、中国の軍事力の一方的な強大化を恐れ、日米両国が中国への抑制力となることを期待している。その観点から、かつて日本を厳しく非難したマハティール氏やリー・クアンユー氏でさえ、日本の憲法改正、集団的自衛権の行使を是とし、アジアに対する米国のコミットメントを求めているのが現実だ。

・だが、鳩山政権は、中国の脅威の意味するところや、アジア諸国の真意をほとんど理解していない。結果、中国に対して信じ難いほどに無防備だ。東シナ海のガス田で一方的に開発を進める中国に抗議することもなく、東シナ海を「友好の海」にしようと持ちかける。中国が台湾や日本を狙う短距離ミサイルの配備を毎年100基ずつ増やしているにもかかわらず、非核三原則の法制化に言及する。岡田克也外相は「米国と対等の関係」を標榜し、鳩山首相も米国と距離を置き、中国への接近姿勢を示す。日米同盟の証であるインド洋での給油給水活動を単純に延長しないとして撤退方針をほのめかす。

・国際政治研究の第一人者、田久保忠衛氏が語る。
「日露戦争のとき、国際社会は日英米vsロシアの形で対立しました。米国は、日露戦争に勝った日本を警戒し始め、1921年のワシントン海軍軍縮会議では、米英中vs日本の対立の構図が作られました。しかし当時、米国をはじめとする国々は、日本に友好的な明るい微笑を以て接し、日本を孤立に追いやる米英中の意図に、日本は気付きもしませんでした。いま、21世紀のアジアにおける国際秩序の構図が大きく変わりつつあるのですが、鳩山内閣はまったくそのことに気付いてはいないと思います」

・米中接近の谷間に沈みかねない状況下で、友愛外交を唱え、非核三原則堅持を主張する鳩山首相の姿を最も好ましく見詰めているのは中国だ。
米国の若手日本研究者でアメリカン・エンタープライズ研究所のマイケル・オースリン氏は「日本は台頭する中国によって削り取られていくだろう」と書いた(『フォーリン・ポリシー』誌09年4月号)。

高い支持を得ている鳩山政権だが、私は、鳩山政権下の日本の将来に限りない不安を抱く。

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