王妃の館 上下巻
浅田次郎
パリのヴォージュ広場で300年の伝統を誇る「王妃の館(シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ)」は、世界中の観光客あこがれの最高級ホテル。この15室しかないホテルの知名度を利用し、倒産寸前の旅行会社が企画した起死回生策とは、「王妃の館」に滞在するパリ10日間149万8000円の超豪華「〈光(ポジ)〉ツアー」と、19万8000円の格安「〈影(ネガ)〉ツアー」を同時に催行し、ツアーの「二重売り」によって月末の手形決済を切り抜けようというもの。
それぞれの人生が王妃の館で交錯する。
過去の館にまつわる話と、現代のホテルの話が交錯しながら進む。
人はそれぞれに生きることに悩み苦しんでいる。
そしてそれは傍から見れば悲劇ではなく、喜劇に見えてしまう。
自分の悩みが一番大きいと私も思う。
人の悩みは所詮人の悩み。
しかし、より多く悩んだ人ほど人の悩みが解る。
苦労は買ってでもしろと言われる。
でも苦労なんかしたくはない。
出来ることならのんべんだらりと楽しい人生を送りたい。
前総理の鳩山さんも総理にならなければ苦労せずに終わったのに、
正に苦労をお金で買ったのだろう。
それも庶民には考えられないような金額で。
この物語には最後の最後に人の苦労をお金で解決してくれる人がいる。
お金があれば幸せとは限らないが、幸せになるためには最低限のお金が必要だ。
本の話に戻る。
浅田次郎はどれを読んでも感動する。
笑ったり泣いたりしながら、最後には感動する。
浅田次郎のまだ読んでない本がたくさんあるから楽しみだ。