一法学生の記録

2014年4月に慶應大学通信部に進んだ法学生の記録である
(更新)2017年4月に神戸大学法科大学院へ進学しました。

失業のすすめ 1

2016-11-03 18:41:54 | 社会問題
失業のすすめ 1

 著者は、自ら進んで失業したものであるが、失業の経験は人生で4回。2回目の失業は、請負契約の終期に伴うものであり、3回目の失業では会社側と大揉めの末に裁判に突入し、今度の失業は一応円満と言えよう。世の中、退職をするまえに死んでいく人もいるが、死ぬぐらいならどうして辞めないのかという、意見を聞くこともある。この議論は、傍観者からすれば自然な疑問かもしれないが、失業エキスパートの私からすれば、少なくとも二つの精神状態が妥当すると考える。一つ目は、命より今の任務が大切な状態にある精神状態、いわゆる燃焼型である。そしてもう一つは、仕事を続けることの方が辞めることに費やすエネルギーに比べて小さいから続けている精神状態、いわゆる奴隷型である。くっきりと割り切れる話ではなく、いずれの要素も混じり合っているものと考えられる。上司の言葉を真に受ける、あるいは過大な責務を自ら背負い込む、そうこうしているうちに、辞められなくなり消耗する。そして奴隷型に陥る場合もあろう。奴隷型の厄介なのは、精神的に衰弱しているということである。日本の一部の伝統のなかでは「辞めたら負け」であったり「逃げるな」などの価値観が植えつけられる。そして、それは実際に社会にでて自分が追い込まれたときに、「辞める」と言うことに対する険しい障害となる。つまり、今まで生きてきた価値観を否定することであり、実は、この障害を乗り越えるために要するエネルギーは計り知れない。あるいは、このような精神論に冒されている人間は、自分が悟空でありつ続けることをもって、自らの存在意義(尊厳)を保っていられるし、周りからもそう評価されているものである。従って、衰弱するまで働き、挙句の果てには辞めるための精神的・体力的エネルギーすら、消耗しきってしまうのが、あるタイプではなかろうか。

 以上(続く)
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