百休庵便り

市井の民にて畏れ多くも百休と称せし者ここにありて稀に浮びくる些細浮薄なる思ひ浅学非才不届千万支離滅裂顧みず吐露するもの也

虫明焼展を観てきました~岡山県立博物館平成29年度特別展「むしあげ~岡山に花開いた京の焼物」

2018-03-02 13:16:40 | 日記
 老生は昨12月以来、2週間毎 岡山まで行かねばなりません。リウマチの薬を最新の「オルミエント」に変えて以来、痛みが嘘のように引いていき、たいへん喜んでいるところですが、認可され 1年未満という薬につき 2週間分しか処方されません。で この通院日の H30.3.1のこと、ついでに 県立博物館へ寄り、平成29年度特別展として開催中の「むしあげ~岡山に花開いた京の焼物」展を観てみたいと、かなり余裕を持って出掛けたのであります。

ネットで 9時開場を確認、後楽園脇駐車場に車を留め その時間に行ったのですが、9:30~とあります。後で調べますと 4~9月の場合でした。そのとき「梅が満開かも?」が ひょっと頭をよぎりまして、目の前の後楽園に入ったのです。65歳以上は 150円。こんな時は本当に有り難いと思えます。梅林は いっとう奥です。

さらに奥まったところに、こんな ↓ 絶好ポイントのあること、初めて知りました。



 岡山県瀬戸内市邑久町虫明は、平清盛さんの親父さん 平忠盛さんが備前守となって着任されたとき、「むしあげのせとのあけぼのみるおりぞ都のこともわすられにけり」と詠まれてますように、昔から、そして 多くの牡蠣筏が浮かぶ今日にいたりましても、たいへん風光明媚なところとして有名ですが、

茶人の間で「日本一清楚な焼物」として愛好されている「虫明(むしあげ)焼」の生産地でありまして、今年が造り始めてから 約200年という節目の年ということ。で、これを記念した特別展が、まず当地 岡山で開かれてまして、この後 京都でも開催される運びとなっております。


 上の写真は、現地の 立て看板 を撮影したものでして
 以下3枚は「茶道資料館」さん発行「当展示会図録(1,400円で購入)」を撮影したものです







本特別展は地味ながら、たいへん格調高いものがございまして、「日本一清楚な焼物」というコピーが実感できる展示物が多くあり、たいへん後味の爽やかな展覧会となっております。で 今回の岡山と、この後 京都で開催される本展が、備前焼に隠れた感が 無きにしも在らずの虫明焼が、これをきっかけに 見直されるような展開になればいいがと 願わずにはおれません。

そして お調子者のオイラのこと、毎日飲んでる抹茶、今朝からしばらくは むしあげ焼きの
お茶碗でと・・・
 
この2客は ↑ 、25~30年ほど前ですか、岡山市表町の中国銀行本店さんの斜向かい前に開いてました 虫明焼専門店、有名作家さん黒井さんの奥様が店番なさっておられましたが、そこで求めたものでありまして
 
左上は、つい先日 オイラが現役時代、いや 退職後もそうでありますが、オイラが めっちゃお世話になっている 県庁ご出身の大先輩の大奥様から戴いたものの一つであり、右上は(以下は H30.12.24 追記)、白梅の絵の素晴らしさに惹かれ、Yahoo!オークション於 無競合で落札したものですが、これほどの絵付けの施された虫明焼、そうあるものではございませんで、極上品であると評価いたしております。
 
 < 追 伸 > R1.6.4 記
 此度 新たに この ↓ 2客 の 虫明焼抹茶茶碗を揃えております。 
 
         ↓                      ↓

        
 
香山さんの入札写真を見た途端、この道入さんの楽茶碗が浮かんでき、いっぺんに気に入ってます。なお 上の 香山さん・英山さんの解説は、事後に取り寄せた 今は絶版の 日本文教出版さん S48発行 岡山文庫 桂又三郎さん著『岡山の焼物』より頂いてます。

 なお、ファイナルを飾るに相応しい、このような素晴らしいお茶碗が手に入ったことでもあり、26 の折から 趣味として取り組んでいた抹茶茶碗集めは、今回でケリをつける所存でございます。

 < 追 伸 > R2.4.27 記  
地元の大好きな焼物なので、ネットで ついつい手が・・・一楽さんと 香泉さんのお茶碗です。R2.8.6 追記⇒これでおしまい とはいかなくて、一樂さんと香山さん 泊舟さんが増えてます。
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......  本当に、もうおしまいにしなければ・・・ 
上の図録に 虫明焼は『日本一清楚な焼物』と書かれてますが、何十年も 日本全国 いろんな産地のお茶碗で飲んできてるオイラの実感を申し上げますと、普段遣いのお茶碗としては虫明焼が最高である ということです。地元からくる身贔屓なんかでなく、本当に好いお茶碗である と言えます。

何故かと申しますと、掌(て)にしたときの感覚・・・重心が直ぐ上にあるという感じが とても好く、お茶の香りとトロミを損なうことなく 何処の抹茶茶碗よりも 引き立ててくれますし、充分な品格を有しているのですが、構えることなく 閑かに向き合えるし、ベタベタした感じがしないと言うか 人間との距離感がとても素晴らしく、使い勝手が非常に良く、使い込んでゆく変化も楽しめるという、まさに 理想的なお茶碗であると言えるからであります。

 






 

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