MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

アインシュタインは“脳”が違います

2012-12-01 16:08:33 | 科学

『アインシュタインは脳が違います』
広島弁で元カープの達っちゃんが機械的にしゃべる
コンビニのCMではない(ローカルですみません)。
独創的な発想を生む脳は、やはり『もの』が違うのか。
凡人との違いは一体何なのだろうか。

11月27日付 Washington Post 電子版

Einstein’s brain was unusual in several respects, rarely seen photos show アインシュタインの脳はいくつかの点で普通ではなかったことが、ほとんど見ることのできなかった写真で示される

Einsteinsbrain

(国立保健医学博物館)新しい研究で物理学者アインシュタインの死亡時に撮影された彼の脳が解析される。これらの画像はこれまで一度も公開されていなかった。

By Michael Balter | ScienceNOW,
 Albert Einstein(アルバート・アインシュタイン)は天才として広く認められているが、どのようにして彼はそうなったのだろうか?近代の物理学の基礎を形成した相対性理論やその他の見識を生み出すにはきわめて特殊な脳が必要であっただろうと多くの研究者らは考えてきた。
 アインシュタインの死後、研究のために保存されていた彼の脳の写真のうち新たに発見された14枚の研究で、実際に多くの点でその脳がきわめて特異であったと断定している。しかし、その脳の普通より多い脳溝や脳回がどのようにアインシュタインの驚くべき能力につながったかについては、研究者らによっていまだ厳密に解明されていない。
 アインシュタインの脳の話は、ノーベル賞を受賞したこの物理学者がニュージャージー州 Princeton で76才で死亡した1955年に始まった。彼の息子 Hans Albert 氏と彼の遺言執行人である Otto Nathan 氏が、検死病理学者の Thomas Harvey に科学的研究のために脳を保存する許可を与えた。
 Harvey 氏はその脳の写真を撮り、240のブロックに切り、樹脂様の物質の中に包埋した。さらに彼は顕微鏡的研究のためにそのブロックを2,000の薄片に切り、その後数年間にスライドと脳の写真を世界中の少なくとも18人の研究者に分配した。Harvey 氏が自身のために保管していたスライドは別にして、それらの標本が今どこにあるのか確かな人物はおらず、恐らくそれらの多くは研究者らが引退するか死亡したときに紛失した。
 数十年間で、これらの広く散らばった資料から生まれたのはわずかに6つの論文審査のある文献だけだった。これらの研究の中にはアインシュタインの脳に興味深い特徴を発見したものがあった。例えば、脳のある部位のニューロンの密度がより高かったり、ニューロンに対するグリア(ニューロンがインパルスを伝えるのを助ける細胞)の割合が通常より高かったのである。Tallahassee(タラハシー)市にある Florida State University の人類学者 Dean Falk 氏によって2009年に発表された研究を含む脳の肉眼的解剖の2つの研究では、物理学的問題を概念化する彼の類まれな能力に関連しているかもしれないアインシュタインの頭頂葉には脳溝や脳回のきわめて特異なパターンが見られることがわかった。
 しかし、このFalk 氏の研究は、2007年に死去した Harvey 氏から手に入れることできたわずかな写真をもとにしたものだった。2010年、Harvey 氏の相続人は、彼の資料のすべてを Silver Spring にある米軍 National Museum of Health and Medicine(国立保健医学博物館)に譲渡することに同意した。
 Brain 誌に11月16日に発表された今回の新しい研究のために、Falk 氏は、ニュージャージー州にある Robert Wood Johnson Medical School の神経学者 Frederick Lepore 氏、博物館館長の Adrianne Noe 氏らと協力してこれまで一度も公開されていなかった Harvey 氏のコレクションから14枚の脳全体の写真を解析した。さらにこの論文には、他の科学者たちが追跡調査を行うために使用できることを願って、それらの写真と彼らから用意された240のブロックおよび顕微鏡用のスライドとを関連づける Harvey 氏によって作られた“road map(手引き)”が盛り込まれている。
 このチームはアインシュタインの脳を、85名の別の人たちの脳と比較し、実際にこの偉大な物理学者が両耳の間に特殊な何かを持っていたことを発見した。その脳の大きさは平均的に過ぎなかったが、いくつかの領域では、他の人たちにはめったにみられない付加的な脳回や脳溝が備わっていた。たとえば、感覚入力や顔や舌の運動制御をつかさどる脳の左側の領域が正常よりはるかに大きいかった。さらに、計画、注意集中、および粘り強さに関連する前頭前皮質もまた非常に増大していた。
 前頭葉、頭頂葉、後頭葉など「それぞれの脳葉において、その脳回が並外れて複雑になっている領域があったのです」と、Falk 氏は言う。増大していた顔や舌に関連する領域に関して、このことは、しばしばアインシュタインの思考が言葉で行われるよりむしろ“筋肉的”なものであるという彼の有名な叙述に関係しているかもしれないと Falk 氏は考えている。
 このコメントは通常、宇宙について考えるときの彼の主観的体験の隠喩として解釈されているが、それは理論的概念化につながる「非凡なやり方で彼の運動皮質を用いていたのかもしれない」と Falk 氏は言う。
 Harvard Medical School の神経科学者 Albert Galaburda 氏は、「この論文の素晴らしいところはアインシュタインの脳の全体の解剖がきわめて綿密に書かれていることです」と言う。とはいえ、この研究は「私たちが説明できないきわめて重要な疑問」を提起していると Galaburda 氏は付け加える。それらの中には、アインシュタインを偉大な物理学者にならしめるような特殊な脳から彼が始まったのか、それとも、すぐれた物理学を遂行することが彼の脳の一定の部位を増大させることになったのかという問題がある。
 Galaburda 氏によると、アインシュタインの才能はおそらく「特殊な脳と、彼が生活してきた環境との組み合わせによるものだったのでしょう」という。
 今回の脳の特徴がアインシュタインに特有のものか、あるいは他の科学者にも見られるものなのかを知るために研究者らは今、アインシュタインの脳を、他の有能な物理学者のそれと比較することを試みようとしていると、彼は言う。
 Falk 氏も、おそらく生まれと育ちの両方が関与していることに同意見で、アインシュタインの両親が“実に子育てに優れており”、科学においてだけでなく音楽においても、負けず嫌いで創造的であるように育てたと指摘する。(音楽的才能に関連する脳の領域もアインシュタインの脳で高度に発達していたことが Falk 氏の2009年の研究で明らかにされている)
 「アインシュタインは自身の脳をプログラムしていたのです」と Falk 氏は言い、こう付け加えた。「物理学において新しい知見の機が熟したとき、「彼は適切な時に、適切な場所で、適切な脳を持っていたのです」
(この記事は Science 誌のデイリー・オンラインサービスである ScienceNOW に掲載されたものである)

腹部大動脈瘤のために76才で死亡したアインシュタインは
数奇な人生を送っている。
幼少時は話し始めるのが遅く、読字障害もあったと
言われているが科学への目覚めは早かった。
9才でピタゴラスの定理を自力で証明し、
12才で微積分学を独学で習得。
学生時代は学校をさぼることも多く決して成績は
良くなかった。
1905年、憑りつかれたようにきわめて重要な
論文を立て続けに5本発表。
その後一般相対性理論を確立し
1921年ノーベル物理学賞を受賞したが、
当時は批判も多かったようである。
ナチに追われ、1935年アメリカ国籍を取得。
彼の理論に基づいて原子爆弾が製造されたが、
彼自身が製造に関与したことはなく、
広島・長崎に投下されたことには深く心を痛めたという。
彼のあとにもすばらしい頭脳を持った学者が
続々と現れてはいると思われるが、
アインシュタインほどの科学者には
当分お目にかかることはできないかもしれない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 聞き慣れない疾患による苦痛 | トップ | 2013年1月新ドラマ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

科学」カテゴリの最新記事