花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

カンバック!昭和商店街2<すずらん通り>

2018年11月13日 | レモン色の町

すずらん通り その2

昭和33年6月22日。諏訪中通リ(現在のすずらん通り)を東向きに、辻 俊文さんが撮った写真。右(南側)に諏訪サロン、岩田洋服店、笹井屋、北京飯店。左(北側)にチェリー理容店、岡目寿司、松永金物店、北勢堂と並ぶ。

 

諏訪中通りの路地を入ると長屋のような建て方になっていて、連鎖街と呼ばれていた。最近、服部氏からこの長屋は軍の宿舎を移築した建物であることを聞いた。ここには飲食店が多い。中央に少し広い階段があって、木造の階段を二階に上がると小さな住まいが並んでいた。その後、この建物は漏電が原因ですべて焼けた。

 

嶋口屋横の路地からあふれ出た人の群れは、諏訪中通りを忙しく諏訪駅へと向かう。靴音に混じって、北勢堂からはカントリーウエスタンの曲が流れてくる。少しの間、眠っていたようだ。遊びに来ていた正ちゃんは帰ったのか。梅雨の合間から覗いた夕日が長い影を引いて行く。

連鎖街は、やがて夜を迎える。

 

 


カンバック!昭和商店街1<北京飯店>

2018年11月12日 | レモン色の町

辻さんが残された昭和30年代の諏訪駅前商店街。15年ほど前にスワマエのイベントで考えたコメントを再掲載したいと思います。

カンバック!昭和商店街 その1 すずらん通り

昭和33年3月15日。諏訪中通リ(現在のすずらん通り)、夜の風景だ。

東から北京飯店、笹井屋、岩田洋服店と並ぶ。北京飯店の場所には戦後の数年間、白揚書房があった。笹井屋は奥と二階が高級レストランで、入口には池があった。現在、解体工事にかかっておられるが、池の跡には難儀している様子だ。

夜の街路は、春の訪れを告げる雨に濡れている。自転車の同業者と話をする北京飯店の店員。テイクアウトにまんとう・しゅうまい・中華すしとある。中華すしとは一体どんなものだったのか?

勤め帰りの人も立ち話をしている。どこかの店へ食事にでも入るのか?自転車とスクーターが目立つ。自動車の普及にはまだ期間がある。私の父も配達のほとんどをスクーターで済ませ、大きな仏壇は運送屋に頼んでいた。お客様から祝儀の出る仕事に運送屋さんは喜んで来てくれた。雨が上がって、夜の街歩きに楽しい季節となっていく。


円頓寺秋のパリ祭2

2018年11月11日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

円頓寺商店街を紹介するパンフを見ると、1799年に出来たフランスのパサージュ・デ・パリと円頓寺商店街が、見開きの左右対称で紹介してある。

モンマルトル通りからサン=マルク通りへ抜ける間にあるパサージュ(アーケード)・デ・パノラマの紹介が左に

それに、対比した形で円頓寺商店街が載っている。パサージュ・デ・パノラマを意識してアーケード改装をしたのは2015年。この時から通りのコンセプトを「パリ」として、アーケード・店舗展開とイベント「パリ祭」を実践していたことになる。

イベント「パリ祭」は思い付きではないのだ。しっかりしたコンセプトで企画されてきたのだ。

明治創業の着物屋、下駄屋などの日本の伝統を伝える老舗から、喫茶店、寿司屋、そば屋、バル、フランス・イタリア料理、ピッツェリア、ベトナム食堂、沖縄創作料理、ロックバーetc.多彩な食を楽しめる街へ。歌舞伎シアターも誕生するなど、今名古屋で最もホットなエリアとなりつつある。

右に建つのがナゴヤ歌舞伎の「ナゴヤ座」金・土・日の1日2回公演。食事をしながら楽しめる劇場で、定員40名。座敷での観覧となっている。

うまくパリ的センスを飲み込み、コンセプト「パリ」を大切にしながら活性化して行こうという意気込みが見られる。


円頓寺秋のパリ祭2018

2018年11月10日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

アビ・コミの堀木さんと、名古屋円頓寺商店街の「秋のパリ祭2018」を見に出かけた。

好天に恵まれ、ものすごい人出である。

なぜかこのパン屋さんは、長蛇の列。販売だけなのに20人以上並んでいた。

ドライフラワーの出店が多く目につく。パリの雰囲気である。

円パリ音楽祭は・・・

そして大道芸人レロたん

パリ祭をコンセプトに、フランスの雰囲気が漂う。ビールやワイン、フライドポテトなどの飲食が人気だ。ゆっくり食べるブースがもう少し欲しい。

空き地は酒場の路地となっていた。

やはり、食は強い。ものすごい人である。

明日も天気は良さそうだ。

 

 

 


「日日是好日」その2

2018年11月09日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

お茶の席で、初釜は、お正月最初に開かれる席の事。森下紀子著「日日是好日」新潮文庫より。初釜は、先生自らがお茶をたて、皆さんでお正月を楽しむ会である。床軸、花、器、料理と、お正月の華やいだ雰囲気が漂う設定になっている。

 

生徒7人が、静かに、先生の登場を待っていた。

障子が開いた。

先生は、両手を膝の前にそろえて置き、私たち生徒をちゃんと見て、自然にすーっと頭を下げ、一瞬止まったと思うと、おもむろに頭を下げた(訂正 上げた)。

それだけだった。なのに胸を突かれた。

息がほんの一瞬、きゅっと小さく身をすぼませたと思うと、ふわりと元に戻るしぐさをする。それに似ていた。

先生は今、私たちに「敬意」を表した。謹み深く、謙虚に、それでいた卑屈さがなかった。

おじぎは、ただ「頭を下げる」ことではなかった。頭を下げるというシンプルな動きに、あらゆるものが含まれていた。「形」そのものが「心」だった。いや、「心」が「形」になっていた。


四日市ロケの「来る!」公開決定

2018年11月03日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

「こわいけど、面白いから、観てください」って、諏訪公園のお化け屋敷の呼び込みみたいデス。予告編も始まり、いよいよ12月7日の公開となりました。原作は宮部みゆきが絶賛した澤村伊智著「ぼぎわんが来る」角川文庫。監督は「告白」の中島哲也。錚々たるスタッフが並ぶ。妻夫木聡・岡田准一・黒木華・松たか子・伊集院光。これだけで大作と思えるが、なんとホラー作品。しかし、予告編を観る限り、かなり洗練されたホラー映画とお見受けする。

法事のシーンの準備中

実は、今年の2月頃、四日市で法事のシーンがロケされた。かなりの機材が持ち込まれ、短時間のシーンにも関わらず、巨費が投じられたところを見ると、監督の意気込みと大作であることが想像できた。映画「来る!」。どこまで怖いか?そして、四日市ロケシーンの出来栄えは如何に?乞うご期待


映画「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」

2018年11月02日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

すわまえ食堂の岡本っちゃんに言わせると、観る映画は全て素晴らしいと聞こえてしまう。そんな話を真に受けて『日々是好日』を観に出かけた。四日市では上映してないので、東員イオンへ。お客様はおばさんばかり。どうせ中頃で心地よい眠りが堪能できるという期待とは裏腹に、これが素晴らしい作品だった。

このポスターの両空間がいい。

樹木希林が(これがすごい!)、茶道の先生。そこへ黒木華(くろきはる)が生徒で通う。作法を学ぶ中で「どうしてそんなことするのですか?」という理屈に「とにかく作法通りにするものなの。頭で考えないで、自然に手が覚えるから、それまで何度も繰り返すの」と諭す。作法通りに粛々と進めていくと、茶室から外の世界を感じ、四季の移ろいを感じるようになる。

お正月になると「初釜」の会が設けられる。「また今年も同じことの繰り返しと思うけど、同じことが出来るのは素晴らしい事」と話す。

見終わった後、背筋が伸びて凛とした、泰然とした気持ちになった。茶道はその人の生き方に影響するものか。しかし、映画を観たからと言って、茶道をやってみようという気持ちにはならない。若いころ義兄に連れられて茶席の会へ行ったことがある。しびれ切って床柱につかまっていた記憶しかない。