花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

水郷ベニスを目指した諏訪新道

2015年08月09日 | レモン色の町

前回ご紹介した昭和28年7月12日発刊の名古屋タイムス“四日市新地図”より、ご紹介します。

「望みは高し“水郷ベニス” このドブ川がいつの日か」より 諏訪新道が紹介してあります 

銀行は七つ、商店街のところどころに新しい建物で威容を放っているが、商店街を分断する点で困ったものだと云っていた。郵便局は昔の兵舎のお古みたいなうらぶれた姿を道路に出っぱってさらし、完全に商店街を二つに区切って建っている。市役所に通じる大通りはまだ整備されていない。道の真ん中に約1間のドブ川が流れている。将来は三滝川の水を引き、ベニスのような水の都にするのだそうだ。このドブ川の上に映画のカンバンが一杯ある。地所代がほとんどいらないからだそうだ。何でも年に600円とか。セチがらい世の中ダネ。

諏訪新道は飲食店が少ない。客寄せの上からはミスだが、“うまいや”というのはヘノヘノモヘノの看板で宣伝に成功している。浅井というびっこのサンドイッチマンは浪花節狂、報酬なしで毎日エヘラヘラとサンドイッチマンをやっている。同じく大衆食堂舞子屋のサンドイッチマンも同類で女の恰好をして“日本一の美人”と張り紙をして歩き、二人とも町の人気者になっている。鈴木屋、岡田屋は洋品の大店、羽田も古い店、キャノンは1階カメラ、2階はちょいと気の利いた喫茶店。三重交通のバス乗り場の裏には松坂競輪の場外車券売場がある。ヨシズの下にヒゲ帽などをかむった大勢の若い男がごろごろしている。松坂からはレースのたびに放送する「イチバン」の「イ」にアクセントをおいた伊勢言葉である。