石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

知事、反対派と面談!

2014年07月11日 | 県市の対応

 

石木ダム反対運動の拠点ともいうべき川原公民館に、知事がやってきました。

やっと実現した知事との面談です。

知事だけではありません。左右に佐世保市長と川棚町長も着座し、関係自治体の首長が全員集合です。

その後ろには県土木部長、河川課長ら県職員、佐世保市水道局長ら水道局職員も揃っています。

県側はやっと、石木ダムの必要性について、真正面から私たちと議論する気になってくれたのか!

と、みんな期待して見つめました。

 

しかし、冒頭の挨拶は、やはりお願いでした。

会場からは一気に怒号があがりました。

知事も市長も、やはりどうしてもお願いの場としか捉えていないのか…

との落胆があって、地権者からの話も「不愉快だ」との言葉から始まりました。

それは第三者にはなかなか理解が難しいとは思いますが、

地権者の立場に寄り添ってみれば、もっともなことなのです。

 

冒頭の地権者の話を以下に紹介します。

知事はこれまで「ご理解が得られるよう今まで何度も説明をしてきた」と言うが、

それは本当だろうか?

私たちが納得できるような本当の説明をやってきただろうか?

私たちにとってはただの一度もない。

当初から私たちは石木ダムの必要性に疑問を持っていた。

だから、専門家を交えて議論しましょうと何度も言ってきた。

しかし、1982年当時の高田知事は話し合いを蹴って機動隊を導入し強制測量をやった。

その後、県は生活再建と補償の話し合いしかしないと言ってきた。

3年前のダム検証の時も、私たちは専門家を入れて検証してほしいと何度も言った。

しかし、起業者(県と佐世保市)、川棚町、波佐見町の行政側だけで検討を進め、

たった3回の検討会議で、ダム優位と結論づけた。

公共事業評価監視委員会の委員からも疑問の声が出たが、

委員長によって話が打ち切られ事業継続となった。

見せかけだけの検討の場だった。

このように、県が真摯にダムの必要性を私たちと議論したことは過去一度もなかった。

私たちとの話し合いを拒んできたのは県の方だ。

今からでも遅くない。

私たちの理解が得たいと本当に思うなら、

石木ダムの必要性について、また、ダム以外に方法が無いのかについて、

納得のいく議論をしていこうではないか。

今日を第1回の場として議論を始めよう。

形だけでなく、納得のいく真の話し合いをやってほしい。

それがここにいる皆の総意だ。

と訴えて、マイクを弁護団に渡し、具体的な議論に入っていきました。

とても素晴らしい導入でした。

この言葉の重みを、県も市も、特に知事には十分に受け止めてもらいたいと願っています。

 

さて、はじめに議論されたのは、利水についてです。

なぜ佐世保市は石木ダムを必要とするのか、今現在水が不足しているのか?

それとも過去の渇水被害の再来を防ぐためなのか?

その基本的な質問をぶつけられて、市側は明確に答えることができませんでした。

 

水道局長の答えは要約すればこういうことでした。

現実に今日明日の水が足りないというわけではない。

しかし我々は水道事業者として、常時必要とする水を提供する義務を負っている。

リスク管理ができる水源を保有しているかと言うと、そうではない。

(平時は足りていても渇水がおきたときに今のままでは対応できない)

また、現時点だけでなく、10年後のことも考えて水需給計画を立てなければならない。

 

市長の答えはこうでした。

私どもは平成6年の渇水が原点。市民は大変な思いをした。

だからどうしてもダムが必要。理解してほしい。

市政を預かる者としてはリスク管理をしなければならない。

 

つまりポイントは2つ。

その1.平成6年に匹敵する大渇水が再来したときに今も同じ被害が生じるのか?

    リスク管理しなければというなら、当然シミュレーションしているはず。

    その資料を示してほしい。

水道局:トライしたが、データが不十分だったのでシミュレーションはできていない。

    だから石木ダムの必要性の根拠とはしていない。

    ただ過去の渇水被害の証左としてあげているだけ。


その2.将来の需要予測が妥当なのか?

    昭和50年の資料では、佐世保市には10万5000トンの施設能力があるが、

    将来16万トンの水が必要になる、6万トン足りないからダムが必要と言っていた。

    しかし現在では7万7000トンしかなく、11万トン必要だから4万トン足りないという。

    40年前には16万トン必要と言っていたが、今その需要は半分の8万トンになっている。

    ダムは要らないじゃないか?

    また当時のまま10万5000トンの水を確保していればが今は足りているはずだが?

水道局長:市民は渇水の記憶が強くて節水意識が高いので、生活用水が他都市に比べて少ない。

    記憶が薄れてくれば水使用量も増えていくと予想される。

弁護団:節水意識が高いのは誇るべきこと。

    その意識を保持しようとせず、水需要が増えるのを期待するのは本末転倒ではないか?

知事:保有水源が減少したことについては、佐世保市は以前は不安定水源に頼っていたが、

   水道事業者としては安定水源に切り替えていかねばならないからだと理解している。

弁護団:安定水源、不安定水源という定義は水道法にはない。

   慣行水利権は許可水利権ではないが、安定水利権と見做されているはず。

   佐世保市が慣行水利権を保有水源と認めないのは一般的ではない。

   これを認めれば水源が不足しているとは言えないはず。

 

その後、話は治水に移りましたが、まず初めに、

まだ残っている河川改修工事が終われば、

石木ダムがなくても過去の洪水被害は防げる、流下能力はある

ということが確認されました。

 

では、県が予測している100年に1度の雨ではどうなのか?

つまり、24時間で400mmの雨が降った場合、石木ダムがなくては防げないのか?

という問題です。

 

河川課長:同じ400mmでも降り方によって違う。

     9パターンの内の1つ、昭和42年型の降り方の場合、流量が1400mmになり、

     石木ダムが無ければ防げない。 

弁護団:他の8パターンでは石木ダムが無くても大丈夫のようだが、

    それでは100分の1の確率にならないのではないか?

土木部長:最悪のパターンに当てはめて考えるので、他のパターンは関係ない。

    パターンに確率は無い。雨量が100年に1度だから確率は100分の1だ。

弁護団:実際にこの100年の間に流量が1400mmになったことはあるのか?

河川課長:それはわからない。データが昭和22年以降しか存在しないのでわからない。

弁護団:データや資料はなくても大きな被害の場合は語り継がれている。

    地域の人は昭和23年の水害以上の大きな水害は聞いた事がないと言っている。

    S23の洪水を100年に1度の洪水と見てもいいのではないか。

    だとすれば、河川改修だけで防げるので石木ダムは不要。

    少なくとも、そのような過去の被害の聞き取り調査などやってほしい。

 

第1回目の議論はそこで終了となり、最後に地権者のお二人から発言がありました。

Aさんは、採石場跡地を利水用の貯水池として活用する代替案を示し、

  「半世紀にわたりどれだけの無駄な時間と無駄なお金が費やされてきたのか

   権力と金の力で平和な安住の地が滅茶苦茶に破壊された」と訴えました。

Bさんは、最近見た夢として、

  「工事が始まって、皆が座り込んでいた。

   大きなダンプの運転席には久保前知事が座っていた。

   がんばらんば国体の開催が危ぶまれ、ネット上で知事への批判が集中していた。

   長崎県がやっていることは強制収用の乱用、

   国体に県民の関心が移っている間に着工した等々。

   知事は覚書の精神を無視して強行して悪かったと平身低頭していた。

   知事の顔は誰だかよくわからなかった。

   その後どうなるのか…と思っていたら、夢から覚めた」と、披露してくれました。

 

中村知事はどんな思いで、この夢の話を聞いていたでしょうか?

苦笑いなさっていたでしょうか?

少し不愉快になられたでしょうか?

 

私はBさんなりの、ユーモアあふれる知事へのラブレターのように感じました。

面談の冒頭に、まじめでキツイ要請があったように、地権者の皆さんは(もちろん私たちも)、

知事と真剣に話し合いたいのです。

事実を見つめ、客観的データに基づくまともな議論をし、そこに知事も参加する。

そうすること無しに、部下任せで判断すべきではない。

知事の判断はそれほど重いと思っているからです。

 

どうか今後も1回でも多く、この場に足を運んで頂けるよう願っています。

 

この面談の一部始終はこちらで公開されています。

https://www.youtube.com/watch?v=7vHcEJL4cms&feature=youtu.be

https://www.youtube.com/watch?v=IvyApLZEztQ&feature=youtu.be

 

 

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