ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしていますが、趣味で撮影した昆虫や日本の四季
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クーベリックの「我が祖国」に感涙

2008-10-02 23:11:19 | その他
久そぶりに立ち寄ったレコード店で目に留まったCD。
それは、スメタナの「我が祖国」である。すでに何枚ものCDを持ってはいるが、この1枚は何の躊躇いもなく買ってしまった。

「我が祖国」は、スメタナの代表的な作品で、1874年から1879年にかけて作曲された6つの交響詩から成り、全曲を通じて、チェコの自然や民族に対する愛情が込められている。中でもヴルタヴァ(モルダウ)は、一連の交響詩群の中で最も知られた作品であり、単独で演奏されたり録音されることも多い。笛吹としては、1967年録音のカラヤン/ベルリンフィルのモルダウのフルートが一番素晴らしいと思うが、連作交響詩としては、やはり何と言ってもクーベリック/チェコフィルの組み合わせだろう。

クーベリックはチェコ生まれの指揮者であり、1942年にチェコフィルの首席指揮者に就任したのだが、1948年に社会主義クーデターが勃発すると、チェコの共産化に反対したクーベリックは、同年のエディンバラ音楽祭のために渡英し、そのままイギリスへと亡命した。1986年に指揮活動から引退していたが、1989年12月の「ビロード革命」によるチェコの民主化を期に、翌1990年5月12日の「プラハの春」のオープニングコンサートを指揮するために42年ぶりに祖国を訪れてチェコ・フィルを指揮し、歴史的な「我が祖国」を聴かせてくれたのだ。

実は、この感動的なシチュエーションが揃っている「プラハの春」での「我が祖国」を凌ぐ演奏があるのだ。1991年、サントリーホールにおけるクーベリック、最後の来日演奏会!チェコ・フィルとの空前絶後、伝説的名演とされる「わが祖国」である。演奏が終わった後、クーベリックもチェコフィルの団員も、そして聴衆もすべてが感動で涙ぐんだ演奏である。以前、テレビ放映された際にビデオに録画してあったが、そのCDを今日見つけてしまったのである。

許光俊氏も、この演奏のことをライナーノートで次のように激賞している。
「超満員の人いきれがするホールで演奏が始まるや、聴衆は完全に度肝を抜かれた。怒濤のような響きの奔流に人々はたじたじとなり、激しい感情表現に心を奪われた。リズムがふんばるところは地に足が生えたようにがっちりとふんばり、飛び跳ねるところでは踊り狂った。全編これ息詰まるようなエネルギーの噴出であり、しかも見境のないおめでたい熱狂ではなく、音楽の各場面は的確鮮明にたくましい筆致で描き出された。吹き上げてくるような熱気から音楽の異常な強さが生まれているのだった。私はステージの横の席で、激越な渦を巻いて襲いかかってくる管弦楽の響きを、ただただ呆然と聴いた・・・」

聴くたびに涙が溢れ出てくる。これほど胸に迫る演奏は、他にはないと思う。

クーベリックは1996年8月11日にスイスのルツェルンでこの世を去っている。

Smetana: Má Vlast / Kubelík Czech Philharmonic Orchestra (1991 Movie Japan Live)

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