ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ヒメカマキリ

2018-10-14 11:53:40 | その他昆虫と話題

 ヒメカマキリ Acromantis japonica Westwood, 1889 は、ハナカマキリ科(Family Hymenopodidae)ヒメカマキリ亜科(Subfamily Acromantinae)ヒメカマキリ属(Genus Acromantis)。日本のカマキリ類は、カマキリ科(Family Mantidae)とハナカマキリ科(Family Hymenopodidae)の2科よりなるが、本種は、国内唯一のハナカマキリ科である。体長は25.0~35.0mmと、日本産カマキリ類の中では、ヒナカマキリ Amantis nawai(Shiraki, 1911)に次いで小さい。
 ヒメカマキリは、日本固有種で、本州、四国、九州、対馬、屋久島、奄美大島に分布し、九州には同属のサツマヒメカマキリ Acromantis australis Saussure, 1871 が生息している。本種は、暖地性であり、東日本での確実な生息場所は千葉県南部に限られるようである。環境省カテゴリにはないが、千葉県RDBでは絶滅危惧Ⅱ類、京都府では準絶滅危惧種として記載している。
 体色は緑褐色から茶褐色で、中脚と後脚は茶褐色の縞紋様を呈している。他のカマキリ類に比べ、前胸部が相対的に短い。前翅は雌雄ともに薄く、半透明である。主に低山地から山地の雑木林の林内や林縁、その周囲の草地などに生息し、夜間、明かりにも飛来する。年1化で、成虫は9~11月頃に多く見られる。

 ヒメカマキリは、今回、トンボ撮影のために遠征した愛媛県において、同県在住の方が見つけてくださったもの。同県では、それほど珍しい種ではないらしい。個体だけの写真では、その大きさが全く分からないが、指先に乗せると、その小ささが分かる。
 本種は、初見初撮影の種で、掲載した写真は、全て同じ個体でメスである。(ヒナカマキリは、3年前より探索し卵鞘は撮影しているが、未だ成虫は撮れていないので、来年の課題としたい。)

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ヒメカマキリの写真

ヒメカマキリ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 640 +1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07)

ヒメカマキリの写真

ヒメカマキリ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07)

ヒメカマキリの写真

ヒメカマキリ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 1600 +1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07)

ヒメカマキリの写真

ヒメカマキリ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 2000 +1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07)

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