いよいよ空き家対策の足がかりとすべく、空き家利活用に向けた活動がスタートしました。
今回のフィールドとなった建物は、5mほどの間口に対して、長さおよそ50mと非常に細長く、いわゆるうなぎの寝床と呼ばれる町家建築の様式を残した築100年前後のものです。
東京に住む家主さんから一年前にご紹介を受け、町のために建物を使ってもらいたいが、中の整理がついておらず、老朽化も進んでいるので、どうしたらいいものか、というご相談を受けました。
建物はおよそ10年ほど前まで家主さんのご祖父さんが住まれていましたが、亡くなって以来空き家になってしまっていたとのこと。
家主さんはこまめに風入れをしに帰省してはいますが、それでも老朽化のスピードには勝てず、痛みも進行してきています。
しかしながら私たちは初めて建物の中に足を踏み入れたときに、おくどさんや薪で炊く風呂、井戸跡なども残り、つい最近までこれらを使って生活していた生々しいまでの痕跡に驚くと同時に、細長い空間に複数の棟と中庭が複雑に構成され、歴史を刻んださまざまな空間が立ち並んでるこの建物はすごい資源になるはず、という印象を受けました。
そこで家主さんのご理解を得ながら、私たちの空き家対策への考え方を表現するフィールドワークの場として活用していくことにしました。
そして昨年実験的に行った、学生さんたちとのお手入れ活動を踏まえ、今回はより集中的な不用品整理を行いました。
今回公募で集まった参加者は、近隣に在住で、私たちと同じく、自分たちの住む地域の空き家の問題に関心を持っている方たちでした。
また東京より家主さんも駆けつけていただき、この家で遊んだ記憶、おじいさんとの思い出などを話していただき、私たちも単なる「空き家」という存在から「人の泣き笑いがあった生活の場」として意識することができ、何とか次代に残していきたいという思いを共有することができました。
とはいっても一挙に不用品を片付けるには、あまりにも長い建物なので、裏通りに面した一角から手をつけることに。
<before>
最初に参加者の方が「ホントに片付くのか?」と怯みすらした、大量の不用品も、人手があればあっという間。どんどん元の姿が明らかになっていくにつれ、部屋の空気が変わっていくのを感じると同時に、モノが積まれ湿気がたまっていたせいか、コンクリートの床に敷かれていた木製の板や柱などの大部分が腐っていることも明らかになりました。
できる限りこれらを除去して、一段落。
<after>
次は中庭の竹ざおなどを置いていた木枠を取り壊すことに。こちらは参加者の女性の方に、解体を手伝ってもらうことに。現役の大工さんたちがスタッフで来てくれてるので、わからないことはすぐに聞いて教えてくれます。こうしたマンパワーも岩村の強みです。
木枠を取り除いた後に現れた壁の隙間を防水シートで覆う作業も参加者に手伝ってもらいました。ここでも見慣れぬ機具の使い方を教えてもらいながら、うまく取り付けてもらいました。
半日を使って目標であった範囲はほぼ完了し、来たときとは見違えるような空間が現れ、目に見える変化を目の当たりにした参加者とスタッフ一同は、深い達成感を得ることができました。
また残置されていた古いものの中には、私たちの目から見て、とても興味深い、昔の生活を偲ばせるような小物や道具がいろいろと出てきました。これも岩村ならではの面白さですね。
もちろん無下に捨てたりせずに、この家の空気を吸ってきたモノたちとして、とても馴染んでいるように思えるので、何らかの形で残していきたいと考えています。
不思議なことに、作業にあたっていると、刻々と変わっていく部屋の姿に、この先どんな活かし方をしていけばいいのか、色んな想像が膨らんできたと、みんな同じように感じていたようです。最初に絶望感すらあった時から比べると、かなりポジティブな印象に最後は変わっていました。
最後に、参加者の皆さんからは、皆でやればできる!!と自分たちの成果に自信を持てたとの感想をいただきました。何より、ホットいわむらのメンバーの想いの熱さが印象に残ったという方もいました。
逆に私たちもこれだけ興味を持って参加してもらえたことに励まされます。今後の取り組み方や、利活用の方法など、私たちにとっても気づきと学びの時間となったことに、深く満足しています。
今後の公募企画としては一旦フィールドを変えて開催します。次回の企画については、ホットいわむらHPをご覧ください。岩村にはそれだけ資源として活かせるはずの空き家がたくさんあるので、一軒一軒表情の異なる町家空間の魅力に共感してもらえる人を少しでも増やしていきたいと考えています。
追伸:前回記事で告知した「夏至の日に、岩村の本通が西方向に伸びる方角に向かって、真正面に太陽が沈むように都市設計されている、という噂を検証する夕焼けナイト」略して『ALWAYS 岩村町本町五丁目の夕日'2014』は、案の定の曇り空のため、あえなく来年のお楽しみになりました(笑)
今回のフィールドとなった建物は、5mほどの間口に対して、長さおよそ50mと非常に細長く、いわゆるうなぎの寝床と呼ばれる町家建築の様式を残した築100年前後のものです。
東京に住む家主さんから一年前にご紹介を受け、町のために建物を使ってもらいたいが、中の整理がついておらず、老朽化も進んでいるので、どうしたらいいものか、というご相談を受けました。
建物はおよそ10年ほど前まで家主さんのご祖父さんが住まれていましたが、亡くなって以来空き家になってしまっていたとのこと。
家主さんはこまめに風入れをしに帰省してはいますが、それでも老朽化のスピードには勝てず、痛みも進行してきています。
しかしながら私たちは初めて建物の中に足を踏み入れたときに、おくどさんや薪で炊く風呂、井戸跡なども残り、つい最近までこれらを使って生活していた生々しいまでの痕跡に驚くと同時に、細長い空間に複数の棟と中庭が複雑に構成され、歴史を刻んださまざまな空間が立ち並んでるこの建物はすごい資源になるはず、という印象を受けました。
そこで家主さんのご理解を得ながら、私たちの空き家対策への考え方を表現するフィールドワークの場として活用していくことにしました。
そして昨年実験的に行った、学生さんたちとのお手入れ活動を踏まえ、今回はより集中的な不用品整理を行いました。
今回公募で集まった参加者は、近隣に在住で、私たちと同じく、自分たちの住む地域の空き家の問題に関心を持っている方たちでした。
また東京より家主さんも駆けつけていただき、この家で遊んだ記憶、おじいさんとの思い出などを話していただき、私たちも単なる「空き家」という存在から「人の泣き笑いがあった生活の場」として意識することができ、何とか次代に残していきたいという思いを共有することができました。
とはいっても一挙に不用品を片付けるには、あまりにも長い建物なので、裏通りに面した一角から手をつけることに。
<before>
最初に参加者の方が「ホントに片付くのか?」と怯みすらした、大量の不用品も、人手があればあっという間。どんどん元の姿が明らかになっていくにつれ、部屋の空気が変わっていくのを感じると同時に、モノが積まれ湿気がたまっていたせいか、コンクリートの床に敷かれていた木製の板や柱などの大部分が腐っていることも明らかになりました。
できる限りこれらを除去して、一段落。
<after>
次は中庭の竹ざおなどを置いていた木枠を取り壊すことに。こちらは参加者の女性の方に、解体を手伝ってもらうことに。現役の大工さんたちがスタッフで来てくれてるので、わからないことはすぐに聞いて教えてくれます。こうしたマンパワーも岩村の強みです。
木枠を取り除いた後に現れた壁の隙間を防水シートで覆う作業も参加者に手伝ってもらいました。ここでも見慣れぬ機具の使い方を教えてもらいながら、うまく取り付けてもらいました。
半日を使って目標であった範囲はほぼ完了し、来たときとは見違えるような空間が現れ、目に見える変化を目の当たりにした参加者とスタッフ一同は、深い達成感を得ることができました。
また残置されていた古いものの中には、私たちの目から見て、とても興味深い、昔の生活を偲ばせるような小物や道具がいろいろと出てきました。これも岩村ならではの面白さですね。
もちろん無下に捨てたりせずに、この家の空気を吸ってきたモノたちとして、とても馴染んでいるように思えるので、何らかの形で残していきたいと考えています。
不思議なことに、作業にあたっていると、刻々と変わっていく部屋の姿に、この先どんな活かし方をしていけばいいのか、色んな想像が膨らんできたと、みんな同じように感じていたようです。最初に絶望感すらあった時から比べると、かなりポジティブな印象に最後は変わっていました。
最後に、参加者の皆さんからは、皆でやればできる!!と自分たちの成果に自信を持てたとの感想をいただきました。何より、ホットいわむらのメンバーの想いの熱さが印象に残ったという方もいました。
逆に私たちもこれだけ興味を持って参加してもらえたことに励まされます。今後の取り組み方や、利活用の方法など、私たちにとっても気づきと学びの時間となったことに、深く満足しています。
今後の公募企画としては一旦フィールドを変えて開催します。次回の企画については、ホットいわむらHPをご覧ください。岩村にはそれだけ資源として活かせるはずの空き家がたくさんあるので、一軒一軒表情の異なる町家空間の魅力に共感してもらえる人を少しでも増やしていきたいと考えています。
追伸:前回記事で告知した「夏至の日に、岩村の本通が西方向に伸びる方角に向かって、真正面に太陽が沈むように都市設計されている、という噂を検証する夕焼けナイト」略して『ALWAYS 岩村町本町五丁目の夕日'2014』は、案の定の曇り空のため、あえなく来年のお楽しみになりました(笑)
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