細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ポップスター』は、ナタリーの自己顕示欲ご披露作品か。

2020年02月13日 | Weblog
●2月5日(水)10-00 外苑前<GAGA試写室>
M-009『ポップスター』"Pop Star" (2018)Bold Films, Andrew Lawren Productions, Lox Lux Film Holdings LLC. 
監督・ブラディ・コーベット 製作総指揮、主演・ナタリー・ポートマン、ジュード・ロウ <97分・ヴィスタサイズ>配給・GAGA
あの「レオン」から「スターウォーズ」、そして「ブラック・スワン」で、オスカーを受賞したナタリーが、自分のプロダクションで製作主演の新作。
よほど<自己顕示欲>が強かったのか、それとも、もっと上の<ビッグスター>の名声が欲しかったのか、またしても彼女自身の芸域を誇示するような気迫だ。
<スター誕生>というのは、あのジュディ・ガーランドの「スター誕生」のキャリアを辿るまでもなく、才能と、それ以上の<チャンス>が決め手となる。
そこでナタリーは、自身の<スター性>の適性を誇示したかったのか、この作品でも悲運や悲劇を糧にしてまでも、スターダムにのし上がる欲望を描いている。
これまでの<ナタリー・ポートマン>は、まだ女性としての若さと優しさ、などのスター性を持っていたのだが、この作品では、その本質を厚化粧して見せるのだ。
ストーリーも過激で、いきなり学校での無差別銃撃事件があり、その事件で難を逃れたナタリーは、姉の作った追悼ソングを唄い、大ヒットとなっていく。
それを仕掛けたレコード・プロモーターのジュード・ロウは、受難の多いナタリーをスターにして行く、そのキャリアのサポート役を<影絵師>のように演じて行く。
もうひとりのサポーター役として、姉を演じているステイシー・マーティンの存在が、じつは<鍵>の筈なのだが、ナタリーの暴走で影が薄くなったのが残念。
見るべきは、ここで見せる<芸人>ナタリー・ポートマンの、その厚化粧の裏に秘めて行く芸人としての野望のド根性なのだろうが、どうも後半はバテるのだ。
<スター性>というのは、その新鮮さ・・に尽きる、と思うのだが、この作品では、遅咲きのスターの、返り咲きが、どうも泥臭く見えて、正直、しんどかった。
なぜか、ウィレム・デフォーが、ときどき、ナレーションを入れるのも、・・・変な印象だ。

■レフト前のヒットだが、セカンドを無理してタッチアウト。 ★★★
●4月3日より、全国ロードショー