幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 時間がない

2010-05-24 01:58:31 | Weblog

 
 
 時間がない、残された時間
 
 天の雲、閉ざされた空
 
 分厚い鉄板のような天井
 
 見上げても星も輝いていない
 
 それでも見上げなければならない
 
 足元に石ころも転がってやしないから
 
 
 
 引き裂いた胸
 
 麻痺した心臓を掴み出し
 
 秤の上に置き
 
 わずかな現金と交換する
 
 それを持って走る
 
 取引所のエントランスを入り
 
 電光掲示板を見つめる
 
 
 製薬会社と軍需産業の値がつり上がっている
 
 命も救えないのに、一方では大量殺戮
 
 それで儲けた金でリゾート
 
 それも悪くない
 
 リスク承知で株を買ったら
 
 自分の命が尽きるのも忘れられる
 
 慈善と恐喝
 
 世界は暴力で恐喝され、慈善を施されて、支配されている
 
 無知によって
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿