幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

脳を温めても、暖かい夢を見るわけではない

2014-09-23 20:25:42 | Weblog


あたたかい暖房からの風が頭を熱くさせる夜

誰でも同じように齢をとるこの地上で

わたしもあなたも、虫も木も

ただただ齢をとっていくこの時間の中で

あたたかいエアコンからの空気は

熱力学の第三法則によって拡散していく

より冷たい空気を求めて

平衡を保とうとする

ぼくの頭は熱くなり

脳みそも

目玉も

ちょうどいい具合に

おでんの具のように煮えてきたら

たぶん精密機械は誤動作し

その現れとして

この認識している世界が変形したり

イエローとグリーンの光に見えたり

シュリヤントラの三角形と円の無数の組み合わせに見えたりするのだろう

ほんの0.数グラムの神経伝達物質の作用によって

この世の主観的認識は変貌し得るが

ぼくの精神によっては

この意識は驚くほど堅牢に変化せず

思想によっても

なにもまったくかわらない












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