幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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 夕の豪雨

2008-07-16 23:14:51 | Weblog

 

 鋼の境界に咲く桔梗
 
 古色じみた黄色の月ににじむ水墨
 
 銀色の砂漠が
 
 絹雲に乗って移動し
 
 大海を越えて一気に降り注ぐ
 
 白い驢馬と赤い山羊が半音階の悲鳴を上げている白夜
 
 なまあたたかい風にまぎれて
 
 海岸に打ち上げられた銀貨を一枚一枚拾う
 
 豪雨
 
  
  
 食べ終わったデザートを片付け
 
 金輪際ガラスに映った景色を見ない
 
 それが青い預言者の王冠だったとしても
 
 意外な創造を水の4分の1で活動させ
 
 望みうる以上の願望の逆
 
 抱いて確かめた苦しみの運命の予感
  
  
   
 するどい色彩に静まりかけていた鼓動が切り裂き
 
 空気の配列をナイトが疾走する
 
 なにを信頼し、忍耐しているのか
 
 行動は拘束を切り裂くナイフ
 
 
 
 飛び上って本能に勝り
 
 分別が差別を跪かせる
 
 節度と想像がせめぎ
 
 降り注ぐ聖なる絶対のカオス
 
 
 

 
 
 
 

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