幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

ラヴレター

2014-09-23 19:53:42 | Weblog


言葉に色彩はない

言葉に個性はない

言葉は逐次的で全体性はない

言葉に隠匿性はない

でも、そんな言葉すら失いつつあるとき

僕はあなたに、どう伝えたらいいのだろう

いったい何を伝えたいのか、それすらも分からなくなってしまったとき

きっと言葉では掴むことができない具象を

僕は抱きしめたいだけなのだ

そして嗅覚によって、あなたの記憶に酔いたい、酔い痴れたいのだ

そして、その記憶を、現在によって、より甘美なものに更新することを望んでいる

僕は毎日、思考の内、95%、記憶の中で生き

その記憶を、繰り返し繰り返し

愛おしく

獣のようにも貪欲に

自らの魂に爪を立て

胸を掻きむしって

せめてもリアルにならないものかと

そのために言葉にして伝えることができないものかと

自問自答しながら

いつか、見知らぬ土地を走る夜行列車に乗って

言葉を探しに地の果てまで行こうと思っている

あなたへのラヴレターを書くために











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