言葉に色彩はない
言葉に個性はない
言葉は逐次的で全体性はない
言葉に隠匿性はない
でも、そんな言葉すら失いつつあるとき
僕はあなたに、どう伝えたらいいのだろう
いったい何を伝えたいのか、それすらも分からなくなってしまったとき
きっと言葉では掴むことができない具象を
僕は抱きしめたいだけなのだ
そして嗅覚によって、あなたの記憶に酔いたい、酔い痴れたいのだ
そして、その記憶を、現在によって、より甘美なものに更新することを望んでいる
僕は毎日、思考の内、95%、記憶の中で生き
その記憶を、繰り返し繰り返し
愛おしく
獣のようにも貪欲に
自らの魂に爪を立て
胸を掻きむしって
せめてもリアルにならないものかと
そのために言葉にして伝えることができないものかと
自問自答しながら
いつか、見知らぬ土地を走る夜行列車に乗って
言葉を探しに地の果てまで行こうと思っている
あなたへのラヴレターを書くために
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