幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 自然に思い出す

2009-09-06 02:30:55 | Weblog

 
 
 ぼくが絵を描いたからって
 
 絵描きになるわけじゃない
 
 ぼくが詩を書いたからって
 
 詩人になるわけじゃない
 
 
 だから 労働している
 
 
 できるだけ楽な労働で生きられればいいのだが
 
 なかなかそうもいかない
 
 
 しかたない
 
 
 ほとんど自分で自分の行動を決めることができない
 
 そういう生物もいるのだ
 
 
 もしぼくに自由な時間が与えられたら
 
 つまり金の力によって自由が買えたら
 
 ぼくは快楽に溺れるだろう
 
 
 つまりクリエーションをする快楽
 
 
 日常ではぼくのクリエーションは禁止されている
 
 きっと反社会的なのだろう
 
 
 でも非日常では
 
 ぼくの想像はだれにも禁止できない
 
 だからぼくは無一文なのだ
 
 
 
 
 
 海辺の砂のように
 
 清潔な
 
 透明な
 
 音が聞こえる
 
 
 それが何の音だかわからなかったのに
 
 聴こえていた
 
 思い出そうとすると
 
 急に気づく
 
 
 それこそが
 
 最も意味のあることなのだと
 
 
 ぼくはそれをずっと捜していた
 
 
 それがなんだか知らぬまま
 
 
 それがそこに転がっていた
 
 
 波打ち際に打ち寄せる波のように
 
 
 自然に打ち上げられる
 
 
 記憶の深海から地上の空の下に
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 

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