思えば、私の誕生しました日は、台風一過でとても暑い日だった。
秋田から母の義理の母が東京に来てくれた。母は生まれたばかりの私に、沢山着る物を着せて、風邪を引かないようにしていたが、私は“とんだ迷惑”だった。暑くて死にそうだった。秋田から来た義理のおばあさんが母が着せた沢山のガーゼの“着物”を全部脱がせてくれて、私はやっと涼しくなって“死なないで”済んだのだった。その時のことを鮮明に覚えています。
やれやれ、この親と、今後の人生を過ごせなければならないのか。先が、思いやられるな、と幼児の私は思ったのでした。