幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

何故なら( ガザでの市民への虐殺に抗議する )

2014-07-26 04:36:49 | Weblog

あるとき ぼくは

パゾリーニとニルバーナのタコ焼き

一人で食べるはずだった

否定は安易な反感に基づく逃避

片道切符を買って行き先も告げず

ぼくは ときどき

大陸の果てまで行きたかった

大洋が崖っぷちから広がっていて

躊躇なく飛び込むにはうってつけのいい場所

でも、安易な自殺は夢見の果ての壊れた映画だから

どうか明日が天国のように晴れ渡りますようにと祈ることにした

何故なら

たくさんの死人

その数だけの葬儀

まるで結婚式の予行演習みたいだと誰かが言った

死神とのブライダル・ウォーキング

でも誰も祝福してはくれない

どうか天国において愛が食べ物であるように

地においては愛がただの感覚ではなく熱でありますように

地において重力が天使の羽根を疲れさせるように、天においても重力が頭蓋骨を地獄に堕とすことのないように

僕は数珠を手のひらでこすり合わせ

額と胸に十字を切って祈ります

悪には裁きを

善には慈悲を






狭い部屋

2014-07-26 02:19:44 | Weblog

狭い部屋にベッドがあって

ガラス張りのバスルームがあって

カラオケ、有線、映画が見られて

電話で食べ物が注文できて

特別に警官の制服も売っている


そこに閉じ籠って僕は何をしたのだろう

思い出せない

もう忘れてしまった


バスルームの窓を開けると

駐車場の灯りが見えた

雨が降っていた


眠剤喰ったのに眠れない

Though I ate a sleep agent, I cannot sleep.